エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.804
2019.12.04 更新
文:/撮影・pepe
「Silent-Master NEO」を構成するパーツの中で、最も重要なトピックはNoctua製品の採用にあることは、前述の通りだ。「Silent-Master」シリーズの開発においてNoctuaと協業体制を組み、空冷最強の呼び声も高いCPUクーラーやケースファンの安定供給を実現している。
第3世代のAMD Ryzenを冷却するCPUクーラー「NH-U12S」 |
防塵フィルタの奥に140mmサイズの「NF-A14-FLX」を搭載、冷却性を保つためファンの回転数はFULL固定としている |
ケースリアには120mmサイズの「NF-S12A FLX」を搭載 |
カスタマイズ可能なCPUラインナップは、Ryzen 5 3600、3600X、Ryzen 7 3700X、Ryzen 7 3800X、Ryzen 9 3900Xで、標準構成ではTDP65Wながら6コア12スレッドのRyzen 5 3600を搭載。なお借り受けた評価機にはRyzen 7 3700Xへとアップグレードされていた。
CPUのグレードに合わせてCPUクーラーもカスタマイズ可能で、140mmファンを採用する「NH-U14S」も選択することができる。TDPが100Wを超えるRyzen 7 3800XやRyzen 9 3900Xではこちらを選択すると心強い。
グラフィックスカードはGeForce GTX 1660搭載のエントリーモデル、GIGABYTE「GV-N1660OC-6GD」を標準採用。カスタマイズにより、ローエンドのGeForce GT 710からプロフェッショナル向けQuadro P5000まで、全24種類がラインナップする。オフィスワークから、最新の3Dゲームに対応するハイエンドまで、あらゆるニーズに応えるカスタマイズ項目が用意されている。
評価機はRadeon RX 5700 XTを搭載する、MSI「RX 5700XT EVOKE OC(8GB)」にアップグレードされていた |
マザーボードはAMD B450チップセットを搭載する人気の高耐久モデル、ASRock「B450 Steel Legend」を標準搭載。第3世代AMD Ryzenを運用する上で、コストパフォーマンスにも優れた、最良の選択と言えるだろう。
発熱の少ないAMD B450チップセットを採用することで、チップセットの冷却にはパッシブヒートシンクが使用されている。上位チップセットとなれば、冷却のためにチップセットファンが必要になってしまうため、わずかなファンノイズも極力抑えたいという考えがあるのだろう。もちろん物理的な拡張性や上位モデルの機能が必要な場合に備え、AMD X570チップセットを搭載したASRock、ASUS、GIGABYTE、MSIの主要ブランドから全8モデルを揃え、カスタマイズに対応する。
標準搭載されるASRock「B450 Steel Legend」 |
搭載されるメインメモリは、すべて第3世代Ryzenに対応するメジャーチップを採用する。カスタマイズのラインナップは8GB(8GB×1枚)、16GB(8GB×2枚)、32GB(16GB×2枚)、64GB(16GB×4枚)から選択可能で、標準構成では8GB(8GB×1枚)が選択されている。
評価機に搭載されていたメモリはCrucialブランドの「CT16G4DFD832A」、動作クロックは3200MHz、動作電圧は1.2V |
標準構成の8GB(8GB×1枚)でも問題ないが、予算に余裕があれば16GB(8GB×2枚)構成を選択するのが良いだろう。なお今回の評価機では32GB(16GB×2枚)構成へとアップグレードされていた。
システムドライブの基本構成は、Micron 3D NANDを採用する2.5インチSATA3.0(6Gbps)接続のSSD「Crucial SSD MX500」シリーズから、容量500GBが採用されている。評価機も標準構成からの変更はない。
Micron 3D TLC NAND搭載、シーケンシャル読み込み560MB/s、書き込み510MB/sの鉄板モデルだ |
ストレージメニューにおけるカスタマイズの豊富さは、サイコムBTOならではの強みを感じる。標準構成となる容量500GBのCrucial SSDは、240GBから2TBの大容量モデルまで7種類、M.2 PCI-E接続タイプは、CFD、Intel、Western Digital、Samsungブランドを取り揃え、同様に250GBから2TBの大容量モデルまで12種類、さらに3.5インチSATA3.0(6Gbps)接続のHDDは、東芝やSeagate、Western digital、HGSTといった主要ブランドで500GBから最大8TBまで18種類から選択することができる。
また、オプションによりM.2 PCI-E接続タイプを除く3.5インチおよび2.5インチSATA3.0(6Gbps)接続のストレージを増設することができる。これだけのラインナップがあればお気に入りのブランドをチョイスして、用途や目的にあったストレージカスタマイズが実現できるだろう。
採用されている電源ユニットも静音へのこだわりが垣間見られる。システムが必要とする消費電力よりも出力の大きい電源ユニットを使い、余裕のある出力でやんわり運用する静音テクニックもあるが、「Silent-Master NEO」で標準採用される電源ユニットは650Wモデルとなっており、出力の大きさでごまかさない静音モデルがラインナップされている。
評価機にチョイスされているのは、80PLUS GOLD認証を取得した650W出力のCORSAIR「RM650X」 |
電源ユニットは80PLUS GOLD認証の650W出力、CoolerMaster「V650」が標準構成となり、Fractal Design、SilverStone、Corsairといったトップブランドの静音モデルを560Wから850Wまで11種類ラインナップする。
近頃では利用頻度も減ってきている光学ドライブだが、特にビジネスシーンではまだまだ活躍しているのも実情だ。標準構成ではASUSのDVDドライブ「DRW-24D5MT」が搭載され、オプションによりBlu-rayに対応するASUS「BW-16D1HT」にカスタマイズすることができる。
標準構成ではASUSのDVDドライブ「DRW-24D5MT」が搭載、必要が無ければ光学ドライブ「なし」も選択できる |