エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.805
2019.12.06 更新
文:撮影・松野 将太
続いては、AMD環境でベンチマークの結果をチェックしていこう。テスト用PCは、CPUに「Ryzen 7 3700X」を使用。ベンチマークはIntel環境と同じく、デュアルチャネル状態で実施している。
AMD環境で「CPU-Z 1.89.1」により取得した「W4U3200CX1-16G」の情報。左がプロファイルを適用していない状態で、右がDDR4-3200のプロファイルを読み込んだ状態 |
早速、Intel環境時のテストと同じベンチマークを実施していこう。まずは「Sandra 20/20」の「メモリの帯域」と「メモリのレイテンシ」のスコアをチェックする。計測はメモリの標準プロファイルであるDDR4-2400動作時と、XMPプロファイルを適用したDDR4-3200動作時で行っている。
整数メモリ帯域は約8GB/sec、浮動小数点メモリ帯域は8GB/secほどと、若干だがIntel環境よりも帯域の改善幅が大きい。加えて、レイテンシも約8nsと大きく改善されている。AMDプラットフォームの場合、3,200MHzは定格動作となるため、こちらもしっかり適用していきたい。
次に、それぞれのメモリクロックで「CINEBENCH R20」を動作させた際のスコアと、システム全体の消費電力を見ていこう。なお、計測にあたっての条件はIntel環境でのテストと変わらない。
Intel環境でのテスト時と同じく、CINEBENCHについてはメモリクロックによる明確な差は見られない。消費電力はIntel環境と同じく、最大値が5Wアップ。やはり、気にするほどの差ではなかった。
最後に「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク」の結果を見てみよう。
スコア差はポイントにして100ほどと、Intel環境と同じくそれほどの差は見られなかった。メモリオーバークロックでPCゲームのフレームレートを改善したい場合、ある程度パフォーマンスが高いGPUを用意する必要があると言えそうだ。
今回はオーソドックスなDDR4メモリ「CFD Gaming CX1」のDDR4-3200モデル「W4U3200CX1-16G」を検証してきた。「CINEBENCH R20」や「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク」では大きな変化はなかったものの、メモリ帯域幅は7~8GB/secと大幅に向上。また永久保証により長期間安心して使えるのも大きなメリットだ。そして実勢価格は14,800円前後と、同じ動作クロック・容量の製品では最安クラスで、価格競争力が高い。保証期間を気にしなくていいことを考慮に入れれば、コストパフォーマンスは非常に高いと言っていいだろう。
「普段あまり自作PCを触らないが、メモリをアップグレードしてみたい」という初心者ユーザーはもちろん、「なるべく長く使えるメモリが欲しい」というコストパフォーマンス志向のユーザーであれば、用途を問わず魅力的なチョイスとなりそうだ。
協力:CFD販売株式会社