エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.806
2019.12.09 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一
小さな筐体に高品質コンポーネントをギッシリ詰め込んだ「Ion SFX」。冷却ファンもかなりギリギリに収まっているのが分かる |
さて、ここからは電源ユニットレビュー恒例の内部観察だ。ネジを取り外してフレームを開封し、その内部構造を確かめてみよう。
まず第一印象は、コンポーネントがギッシリ整然と詰め込まれているということ。入力部とファンケーブル以外にはケーブルがない、スッキリとしたケーブルレス設計になっているところもポイントだ。各種ドーターボードがメイン基板に直接半田付けされており、エアフロー面での障害も少ない。電力品質の改善とパーツ点数の抑制による不良率の低下にも繋がる、イマドキな設計思想だ。
そしてコンデンサには、一次側・二次側を含めすべて日本メーカー製の105℃品を採用。また、過電力保護(OPP)、過電圧保護(OVP)、短絡保護(SCP)、低電圧保護(UVP)、過電流保護(OCP)、過温度保護(TOP)の各種保護回路も搭載されている。
まず印象的なのは、基板上にほとんどケーブルが使われていないケーブルレス設計のレイアウト。各種パーツも整然と実装され、工作精度の高さを窺わせる |
AC電力を取り込む入力部。突入電流や高周波ノイズを防ぐフィルターが設けられている | 交流を直流に変換する一次側の整流回路。発熱が大きい部位のため、ヒートシンクを備えている |
アクティブPFC回路から一次側の平滑回路にかけて。平滑回路にはニチコン製の大容量105℃コンデンサが実装されていた |
その近くに実装されているコンデンサを含め、100%日本メーカー製の105℃品が使われている | コンデンサの奥にある幅広のヒートシンク付近がスイッチング回路。発熱の大きいMOSFETがヒートシンクに直接貼り付けられている |
入力電圧を変圧するメイントランス。通常は中央にレイアウトされることが多いが、スペースの都合上“壁際”に実装されていた | スタンバイなど+5VSB回路用と思われるサブトランス |
直流出力に整流する二次側の整流回路は、エネルギー損失を防ぐため、メイントランスに隣接して実装。すぐ隣には、固体コンデンサが並ぶ二次側の平滑回路が確認できる |
高効率で安定した電圧出力を支えているDC-DCコンバータ | 最奥のモジュラー基板には、リップルノイズを抑制するための固体コンデンサが複数確認できる |
冷却ファンは、台湾GLOBEFAN製の120mmファン「S1201512HB」が搭載されていた。15mm厚の薄型モデルで、内部ではセミファンレス動作に対応している |