エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.807
2019.12.13 更新
文:撮影・エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
メーカー公表値である高さ185mmの有効スペースに、サイドフロー型CPUクーラーをマウントしてみたい。ここで用意したのは、ホワイトLED内蔵の120mmファンサイドフロー型CPUクーラー、Antec「C400 Glacial」。全高は155mmで、数値上まったく問題なく搭載できるはずだ。
有効スペース185mmに高さ155mmの「C400 Glacial」をマウント。隣接する電源ユニット搭載スペースとの高さ比較から、計測するまでもなく上空のクリアランスは十分である事が分かる |
次に水冷クーラーを搭載してみよう。「P120 Crystal」はシャドウベイや電源ユニット搭載スペースを上部に集約。意図的にメインエリアの空間が広く確保されている。これは組み込み易さはもとより、DIY水冷(本格水冷)の構築が想定されている事が分かる。
DIY水冷構築例(メーカー提供)。マザーボードトレイ右側のエリアとボトム面に360mmサイズラジエターをマウント。CPUとグラフィックスカードの水冷化が実現できる(ただし3.5インチシャドウベイはトレードオフの関係にある) |
魅せるPC構築にはDIY水冷が最適だが、本稿では自作経験の浅いユーザーから導入がしやすい、オールインワン型水冷ユニットによる搭載テストを試みた。用意したのは国内未発売のAntec「Neptune240」。240mmサイズラジエターを備えた、メンテナンスフリーの一体型簡易水冷だ。
240mmサイズラジエターは、マザーボード右手の冷却ファン増設エリアに固定。120mmファン2基を並べるサイズから、上段の3.5インチシャドウベイは共存が可能 |
検証に使用した「Neptune240」のチューブ長は十分で、ウォーターブロックとラジエターを並べてマウントが可能。アドレサブルRGB対応LEDファンは強化ガラス製左サイドパネルと正対し、前面と側面からイルミネーションを楽しむ事ができる |
冷却ファン増設エリアにネジ留めした240mmサイズラジエター。シャーシ側のネジ穴はスリットタイプだけに、固定位置の調節ができる |
次に構成パーツ中、重要度の高いグラフィックスカードをマウントしてみよう。有効スペースは公称で最大450mm。しかし、マザーボード右手にラジエターを搭載した場合は、最大280mmまでスペースが短縮される。近頃ではハイエンドクラスのGPU搭載グラフィックスカードでも、奥行き300mmを超える製品が少なくなっている。VGAクーラーの性能向上による高冷却化と、各メーカーによる過剰とも言える冷却機構の見直しがその理由だろう。PCケースを選ばない汎用性を重視するスタンスは、選択肢が増える事を意味し、ユーザーにとっては歓迎すべき傾向と言える。
なお搭載テストには以前詳細検証を行ったMSI「GeForce RTX 2080 VENTUS 8G OC」を使用。2.5スロットを占有する「VENTUSクーラー」を備え、カード長は268mmとされる。
数値でも分かる通り、240mmサイズラジエターとの共存が可能。両者ストレス無く空きスペースも僅かだが確保できている |
空きスペースが必要な理由は付属の「アルミニウム製VGAホルダー」を利用するため。マザーボードトレイに2本のネジで固定し、可動式のアームがVGAクーラーのカバー部から下支え。重量級グラフィックスカードの垂れ下がりを補正してくれる |