エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.808
2019.12.14 更新
文:松野 将太/撮影:松枝 清顕
続いて「Click BIOS 5」からCPUコアクロックとコア電圧を調整し、常用レベルの簡易的なオーバークロックを試してみた。ベンチマークテストは「CINEBENCH R15」「CINEBENCH R20」「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク」「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」の4種類で、すべてのテストが完走できるコアクロックと電圧の組み合わせを探ってみることにした。
倍率とコア電圧を変更しただけの簡易オーバークロックだが、CPUコアクロック4.30GHz、コア電圧1.40Vの設定ですべてのベンチマークが問題なく動作した。なお、全コア4.4GHz設定は若干の壁を感じたが、設定次第では常用にも耐えそうな感触を得ている |
「CPU-Z 1.89.1」で「Ryzen 9 3950X」全コア4.3GHz動作時の情報を取得。この設定ではシステムが不安定になることは一度もなかった |
定格でもマルチスレッドテストではすさまじいスコアが出るRyzen 9 3950Xだが、全コア4.3GHz設定では「CINEBENCH R15」で約350cd、「CINEBENCH R20」では約1,000ptsほどスコアが上昇した。最大動作クロックよりも低い倍率なので、シングルスレッドテストでは若干スコアが下がってしまうが、レンダリングやエンコードといった用途ではアリな設定だろう。
「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク」 |
「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」 |
一方、ゲームベンチマーク2種類では、OC後のスコアがどちらも定格のスコアをやや下回る結果に。PCゲームではしばしばシングルスレッド性能の高さがフレームレート向上に寄与するため、全コアの動作クロックを高めるよりは倍率をコアごとに調整するほうがいい。全コア同倍率でも、より高い倍率を設定すれば結果は変わってくるため、チャレンジしてみるのも悪くない。
最後に消費電力の違いもチェックしておこう。今回はコア電圧を固定しているため、アイドル時の消費電力にも大きな差がついている。また、CPU関連のベンチマーク中はOC後にかなりの消費電力アップが見られた。安定運用するのであればもう少し設定を詰めたいところだが、このあたりも各自で挑戦してみてほしい。