エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.808
2019.12.14 更新
文:松野 将太/撮影:松枝 清顕
最後に、M.2スロットのヒートシンク「M.2 Shield Frozr」をM.2 SSDに装着した際の性能を確認してみよう。検証は「CrystalDiskMark 6.0.2」で、データサイズを32GiBに固定し、各テスト回数9回のベンチマークを3セット連続で実行。その際の温度と転送速度を「HWiNFO 64」でモニタリングし、ヒートシンク装着時と非装着時、2パターンの推移をグラフ化している。なお、SSDはKingstonの「SKC2000M81000G」を使用し、装着スロットは最上段のM.2_1とした。
使用したSSDはKingstonの「SKC2000M81000G」 | シーケンシャルリードは最大3,000MB超え、ライトは2,000MB超えの比較的高速なNVMe SSDだ |
サーモグラフィーで計測したヒートシンクの表面温度は最大約64℃。しっかり熱を伝えられている |
結果、ヒートシンク非装着時には70℃近くまで上昇していた温度がヒートシンク装着時には60℃を下回る程度まで落ち着いており、明らかな改善が見られた。転送速度についても、ヒートシンクなしでは2セット目以降の性能がサーマルスロットリングにより大きく低下してしまうものの、ヒートシンク装着により3セットすべてで大きな性能の落ち込みが見られなくなる。サーモグラフィーでテスト中のヒートシンクの状態を確認すると、表面温度は約64℃まで上昇しているが、よく熱を伝えられていることが分かるだろう。リード3,000MBを超える高速なM.2 SSDはもちろん、PCI-Express4.0のSSDでも問題なく冷却できそうだ。
「MEG X570 UNIFY」の実売価格は3万5000円前後。X570マザーボードのハイエンドモデルは高価な印象が付きまとうが、本製品はWi-Fi 6などの最新機能を盛りこみつつ、細かい機能やコンポーネントの取捨選択をすることで価格を抑えているようだ。外観もシックにまとめており、これといって不得手な面が見当たらない、器用かつ優等生的な製品と言っていいだろう。
通常の第3世代Ryzenと組み合わせるのも良いが、上位のCPUやその他のハイエンドパーツと合わせてPCを組み上げれば、プロ・アマや用途を選ばず使える万能型の高性能PCを組み上げられる。史上初のメインストリーム16コア/32スレッドCPUのお供として、本製品をチョイスしてみるのは決して悪い選択肢ではないはずだ。
協力:エムエスアイコンピュータージャパン株式会社