エルミタ的「編集部で使ってみた」
2020.01.06 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
最近のGPUには、圧縮された動画を効率的にデコードしてCPUへの負荷を低減する「動画再生支援機能」が搭載されている。そこでフリーのメディアプレーヤー「VLC media Player」を使い、各グラフィックスカードの「動画再生支援機能」の効果をチェックしていくことにしよう。なおテスト用の動画には、ソニーモバイル「Xperia XZ1」で撮影した4K/30fpsの動画を使用している。
「VLC media Player」では、「入力とコーデックの設定」→「ハードウェアアクセラレーションによるデコード」で「動画再生支援機能」の有効・無効が設定可能 |
「GF-GT710-E1GB/LP/P」:Direct3D11ビデオアクセラレーション | 「GF-GT710-E1GB/LP/P」:無効 |
「GF-GT1030-E2GB/LP/D5」:Direct3D11ビデオアクセラレーション | 「GF-GT1030-E2GB/LP/D5」:無効 |
「RD-RX550-E2GB/OC」:Direct3D11ビデオアクセラレーション | 「RD-RX550-E2GB/OC」:無効 |
Radeon RX 570:Direct3D11ビデオアクセラレーション | Radeon RX 570:無効 |
「動画再生支援機能」を「無効」にすると、CPUの負荷は6%~10%前後で推移。今回は12コア/24スレッドのRyzen 9 3900Xを使っているため低く感じるかもしれないが、4コアや6コアのCPUでは約30%前後まで負荷が上がる計算で、動画のデコードはかなり重い処理であることがわかる。
一方、「Direct3D11ビデオアクセラレーション」を選択するとGPUの「Video Decode」の負荷が上昇し、「GF-GT710-E1GB/LP/P」以外の製品では、CPUの負荷はほぼ0%になる。その分他の作業にCPU性能を割り当てられることから、特に動画のながら見をするなら「GF-GT1030-E2GB/LP/D5」以上のグラフィックスカードを用意したい。なお「GF-GT710-E1GB/LP/P」では、「Video Decode」を有効にすると、GPUの処理が追いつかなくなりコマ落ちが発生してしまった。
またRadeon RXシリーズでは、24fpsや30fpsの映像を60fspに補完して滑らかに再生できるようにする「Fluid Motion」を利用することができる。対応するメディアプレーヤーやデコーダーを用意する必要があるものの、今回のテスト動画でもその効果は明らか。動画視聴をメインに考えているなら「RD-RX550-E2GB/OC」は有望な選択肢になるだろう。
「Fluid Motion」は、「RD-RX550-E2GB/OC」、Radeon RX 570いずれのグラフィックスカードでも利用可能 |
「MPC-HC」と「Bluesky Frame Rate Converter」で「Fluid Motion」を有効(画像右)にすると、同じ動画でもフレームレートが59.97fpsに引き上げられ、より滑らかに再生できる |