エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.819
2020.01.22 更新
文:松野 将太/撮影:松枝 清顕
セッションの最後に、システムの消費電力とGPU温度をチェックしておこう。テスト方法は、「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」を動作させた際の最高値を高負荷時、起動後10分間何もせず放置した状態をアイドル時として採用し、計測はワットチェッカーで行っている。
アイドル時の消費電力はGaming Mode、OC Modeともに約50Wで、高負荷時の最大値はGaming Modeが346W、OC Modeが360W。カードのスペックからすれば妥当な範囲と言えるが、OC時もそれほど消費電力が伸びないことから、常時OC状態で使うのも良さそうだ。400Wを超えない範囲に収まっているので、昨今のスタンダードと言える容量600Wクラスの電源ユニットであれば、問題なく扱えるだろう。
冷却性能についても見てみよう。今回は、「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」実行時の温度の推移を「HWiNFO 64」で取得している。
オーバークロック時でもGPU温度は常に60℃を下回っており、大型VGAクーラーの冷却性能は極めて優秀だ。より高い動作クロックにマニュアルオーバークロックする際でも、GPU温度が大きな問題になることはないだろう。
「ROG-STRIX-RTX2070S-A8G-GAMING」は、GeForce RTX 2070 SUPER搭載カードに求められる高い性能と冷却性能をしっかり押さえた鉄板モデルだ。実勢価格は69,000円前後と安くはないが、専用ユーティリティ「GPU Tweak II」を使ったクロック調整、ビデオBIOSの切り替え、LED制御といった機能性の高さは注目。GeForce RTX 2070 SUPER自体は、上位製品の「GeForce RTX 2080 SUPER」がおおむね8~10万円台、「GeForce RTX 2080 Ti」が15万円~20万円台と、いずれも10万円の大台を超えてくるなか、“手が届きやすいハイエンドGPU”として確かな地位を築いている。そんな売れ筋GPUを搭載する「ROG-STRIX-RTX2070S-A8G-GAMING」は、豪華なカードを求めるユーザーはもちろん、数年にわたって一線級で戦えるカードを選びたい、というユーザーにもおすすめできる製品だ。
近年は「ROG」ブランドのオールインワン型水冷ユニットやPCケースといった関連パーツが自作市場に登場しており、ブランドを統一したPCを組み上げることも可能だ。いっそ、本製品とROG系のパーツで豪華なPCを一台組み上げてしまうのもアリかもしれない。
協力:ASUS JAPAN株式会社