エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.826
2020.02.05 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
実際のゲームプレイを想定したテストとして、人気オンラインRPGの最新アップデート版「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ」の公式ベンチマークテストの結果も確認しておこう。
今回はミドルレンジを想定した構成で検証を行っているが、ベンチマークスコアは最高判定である“非常に快適”の基準になる7,000ポイントをダブルスコアで上回る。このPCであれば、WQHD解像度などの大画面表示や、100Hzを超えるような高リフレッシュレートの液晶でも十分なパフォーマンスを発揮してくれる。また「CINEBENCH」系ほどではないが、オーバークロックによる効果も確実にスコアに反映されている。
続いて、重量級のゲームベンチマークとして知られている「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION」の公式ベンチマークテストの結果も確認しておこう。
もともとNVIDIA GeForceシリーズに最適化されていることもあり、判定は“やや快適”止まり。とは言ってもその上の“快適”(6,000ポイント以上)までは+約100ポイントとごくわずか。若干画質を調整するだけで快適にゲームがプレイできるだろう。なおオーバークロックについてはスコアが逆転。シングルスレッド性能が重要な処理では、Ryzenシリーズに搭載されている自動オーバークロック機能に任せたほうが良い場合もあるようだ。
テストセッションのラストは消費電力をチェックしていこう。アイドル時は起動直後10分間放置した際の最低値、高負荷時はベンチマークテスト実行中の最高値をそれぞれ採用している。
まずグラフィックス系のテストを確認すると、シングルスレッド処理が中心で、CPUの負荷があまり高くないためいずれも誤差の範囲。一方、「CINEBENCH R15」では17.8W、「CINEBENCH R20」でも14.6Wの差がつき、マルチスレッド処理では確実に消費電力に差が出ている。ただし、ミドルレンジPCなら全く問題ないレベル。電源ユニットも450~500Wクラスの製品で十分賄うことができるだろう。
第3世代Ryzenに対応するゲーミングマザーボードの中では最廉価帯に位置づけられるBIOSTAR「B450GT3」。PCI-Express4.0やWi-Fi 6無線LANといった最新の機能はもちろん、イマドキの製品では標準装備されることが多いアドレサブルRGB LEDや、M.2ヒートシンクも省略されるなど、コストカットの影響は確実にある。
ただし、ライトながらオーバークロックにも耐えられる電源回路や、高速メモリへの対応、高性能なファンコントローラなど基本機能は侮れない。さらにRealtek「ALC 1150」ベースにした高音質オーディオ回路や、帯域幅の制御ができる「Dragon LAN」など、ゲーミング機能については、エントリークラスの枠を大きくはみ出す豪華な装備だ。
AMD、NVIDIAともミドルレンジグラフィックスカードが充実してきている今、多くのユーザーが対象になるだろうフルHD環境をターゲットにしたゲーミングPCを検討しているなら、「B450GT3」とRyzen 5の組み合わせはコストパフォーマンス的にベストな選択になるはずだ。
協力:BIOSTAR Microtech International Corp.
株式会社アユート