エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.827
2020.02.07 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
まずは定番の3Dレンダリングベンチマーク「CINEBENCH R15/R20」を使い、CPUの純粋なパフォーマンスをチェックしていこう。
128スレッドの同時処理が可能なため、マルチコアテストはあっという間に完了する |
「CINEBENCH R15」のスコアを確認すると、シングルコアテストは201cbで、Ryzen 9 3950Xに比べると約5%低いものの、Ryzen Threadripper 2990WXからは約19%向上。またマルチコアテストはRyzen 9 3950Xの約2.5倍、Ryzen Threadripper 2990WXとの比較でも2倍以上高い10,155cbを記録した。
続いて「CINEBENCH R20」のスコアを確認していこう。シングルコアテストのスコアは「CINEBENCH R15」とほぼ同様。Ryzen Threadripperに限らずHEDT CPUが苦手としているシングルスレッド処理だが、Ryzen Threadripper 3990Xでは、メインストリームのハイエンドCPUと遜色ないレベルまで引き上げられている。
またマルチコアテストではさらに差が広がり、Ryzen 9 3950Xとの比較では約2.7倍、Ryzen Threadripper 2990WXとの比較でも2.26倍の24,988pts。マルチスレッドに最適化されたアプリケーションでは、まさに異次元のパフォーマンスを発揮する。
続いて動画エンコードの性能を測定する「HWBOT x265 Benchmark」のスコアをチェックしていこう。
フルHD、4KともRyzen Threadripper 3990Xがトップを獲得したものの、CINEBENCH系スコアに比べるとだいぶ差が縮まっている。またRyzen Threadripper 2990WXのスコアが伸び悩んでいるため「タスク マネージャー」を確認したところ、フルHDでは30%前後、4Kでも50%前後までしか負荷が上がらず、16コアを超えるようなメニーコアCPUへの最適化がいまいち進んでいないようだ。Ryzen Threadripper 3990Xの力を最大限に発揮するためには、ソフトウェア側の対応も重要になることは覚えておく必要がある。
フルHD(左)と4K(右)処理時の「タスク マネージャー」の結果。処理の重い4Kでは、CPUの使用率は上がるが最大限に使い切ることはできていない |