エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.827
2020.02.07 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
ここからは、グラフィックス関連のテストを進めていこう。まずは定番の3Dベンチマークテスト「3DMark」の「Time Spy」および「Fire Strike」のスコアを確認しよう。
グラフィックス関連としては珍しくマルチスレッドへの最適化が進んでいる「Time Spy」だが、12コア以上のメニーコアCPUでは、その能力を使い切ることができず、最終的にはクロック勝負になってしまう。そのためRyzen Threadripper 2990WXでは、CPU scoreはRyzen 9 3950Xの6割強、総合スコアも約9%低下してしまう。しかしRyzen Threadripper 3990Xでは、いずれもその差は1%前後しかなく、AMDの最強ゲーミングCPUとほぼ同等の性能を発揮する。
続いて、よりシングルスレッド性能(動作クロック)が重要になる「Fire Strike」の結果を確認していこう。さすがにRyzen 9 3950に比べるとPhysics scoreで約15%、総合スコアで約5%の差がつけられている。一方、Ryzen Threadripper 2990WXとの比較では、Physics scoreで約6割、総合スコアで約27%上回り、マルチスレッドに最適化されていないゲームでも、第2世代Ryzen Threadripperのように大きくスコアが落ち込む心配はない。
続いて、実際のゲームに即したベンチマークテスト「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ」をチェックしていこう。なお描画品質は“最高品質”、解像度は1,920×1,080ドットで測定を行った。
Radeon RX 5700にとっては軽めのゲームということもあり、シングルスレッド性能が大きく影響する「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ」。最高で4.70GHzまでクロックが上がるRyzen 9 3950Xとの比較では、約6%の差がついている。一方、ブーストクロックで100MHzしか差がないRyzen Threadripper 2990WXとは約8%と大きく上回る。「Zen 2」によるIPCの改善や、浮動小数点演算性能の向上はゲームでもしっかりと効果が発揮されている。
グラフィックス系ベンチマークのラストは、大人気RPGタイトル「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION」の公式ベンチマークで締めくくろう。描画品質は“高品質”で、こちらも解像度は1,920×1,080ドットで測定を行った。
「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ」と違い、スコアはすべてのCPUで横並び。グラフィックスカードの負荷が非常に高いゲームでは、CPUの影響をあまり受けないものもあるようだ。