エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.828
2020.02.10 更新
文:松野 将太/撮影:松枝 清顕
独自ソフトの確認を終えたところで、いよいよ「Alpha 15」のベンチマーク結果をチェックしていこう。今回は基礎的な性能検証に加え、ゲーム系ベンチマークや「Gaming Mode」有効化状態でのパフォーマンスなども検証している。
まずは、CPUの処理性能を測る定番ベンチマーク「CINEBENCH R15」および最新版の「CINEBENCH R20」の結果を確認しよう。シングルスレッドおよびマルチスレッド、2種類のテストを実行している。
「CINEBENCH R15」のシングルスコアは145cb、マルチスコアは734cb。TDPが35Wと、IntelのHプロセッサに比べて10W抑えられていることもあり、パフォーマンスは中程度といったところ。CPUを贅沢に使う傾向の強いDirectX 12系タイトルは苦手としそうだが、DirectX 11以前のタイトルではそれなりに戦えると言えそうだ。「CINEBENCH R20」でもスコアの傾向は変わらず、シングルスコアは354fps、マルチスコアが1,658fpsにとどまっている。
CPUの次は、ストレージのベンチマーク結果を見てみよう。テストには「CrystalDiskMark 6.0.2」と「ATTO Disk Benchmark 4.00」を使い、SSDの速度を確認している。なお、「CrystalDiskInfo 8.2.0」で確認したところ、サンプル機材に内蔵されていたSSDはSAMSUNGの「MZVLB512HAJQ-00000」だった。
「CrystalDiskInfo 8.2.0」で取得したSSDの情報。PCI-Express3.0(x4)で接続されている | 「CrystalDiskMark 6.0.2」、データサイズ1GiBでのテスト結果。シーケンシャルリードは毎秒3,000MB/secを超えており、インターフェイスの限界に迫る優れた速度が出ている |
「ATTO Disk Benchmark 4.00」では、おおむねデータサイズ512KB以降で結果が安定している。リード・ライトともに結果は安定しており、特にリードは「CrystalDiskMark 6.0.2」での計測と同じく毎秒3,000MB/secオーバーの速度を発揮できていることに注目 |
次に、3D描画性能を確認できる定番ベンチマークソフト「3DMark v2.11.6846」の結果を確認する。まずはDirectX 12対応のテスト「Time Spy」から見ていこう。プリセットはWQHD(2,560×1,440ドット)解像度の「Time Spy」、および4K解像度(3,840×2,160ドット)の「Time Spy Extreme」を選択している。
「Time Spy」の総合スコアは4,106、「Time Spy Extreme」は1,893と、やはりフルHD解像度を超えてくるテストでは結果が大きく伸びることはない。「Time Spy」のGraphics test中のフレームレートは20fps前後で推移しており、「Time Spy Extreme」テスト中は映像に激しいカクつきが出てしまっていた。このクラスのCPUとGPUにWQHDを超える解像度で快適動作を求めるのがそもそも酷なので、重めのゲーミング用途であれば、よりハイエンドなノートPCを求めるべきだろう。
続いてはDirectX 11対応テストである「Fire Strike」のスコアをチェックする。プリセットは4K解像度の「Fire Strike Ultra」、WQHD解像度の「Fire Strike Extreme」、フルHD解像度(1,920×1,080ドット)の「Fire Strike」の3種類を選択した。
フルHD解像度のテストである「Fire Strike」テストでは総合スコアが10,000超えを達成しており、実際のゲームでの動作にも期待できる結果が出たと言える。一方で、WQHD解像度の「Fire Strike Extreme」は総合スコアが5,700前後、「Fire Strike Ultra」が3,200前後と、「Time Spy」系テストほどではないが、高解像度環境ではやや苦戦している。WQHDクラスの液晶ディスプレイに接続するといった使い方ではなく、「Alpha 15」標準搭載の液晶でフルHD解像度であれば、比較的高画質の設定でもしっかりしたパフォーマンスを見せるはずだ。