エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.831
2020.02.17 更新
文:撮影/松野 将太
AMD「Ryzen 5 3500」 市場想定価格税抜14,680円前後 製品情報(日本AMD株式会社) |
AMDの資料より。コストパフォーマンス重視の姿勢を明確に打ち出しているのが「Ryzen 5 3500」だ |
「Ryzen 5 3500」は、TSMCの7nmプロセスで製造される第3世代Ryzen(コードネーム:Matisse)のミドルクラスモデル。これまで下3桁が500番台のモデルは4コア/8スレッドを採用していたが、第3世代Ryzenではスレッドを減らした分、物理コアを増量した。ひとつ上のモデルとしては、すでに6コア/12スレッドの「Ryzen 5 3600」が販売されているわけだが、より廉価で競合の6コア/6スレッド製品と真っ向からぶつかり合うコア構成を採用しているのが本製品のキモと言える。
3MBのL2キャッシュと16MBのL3キャッシュ、あわせて19MBのキャッシュを備えることで、競合CPUとの差別化を図っている。キャッシュが効く作業であれば、高速化が期待できるだろう |
同じコア/スレッド数、似通った動作クロックのIntel「Core i5-9400F」よりも税別で1,300円安価に設定されている。それでいてキャッシュ容量が多いため、競合に対する強烈なアピールとなる |
CPUソケットは他の第3世代Ryzenと同様Socket AM4に対応し、AMD X570やB450チップセットを搭載したマザーボードでの運用が見込まれる。使用にあたり、基本的にはUEFIの更新は不要なようで、前者との組み合わせならPCI-Express4.0にも対応する。なお、CPUクーラーはTDP65Wに合わせて「Wraith Stealth」が付属する。
フルHDのPCゲーミング、クリエィティブソフトの同時実行といった用途を想定 |
GPUやゲームの画質設定は不明だが、「Core i5-9400F」を上回るフレームレートを発揮できるとしている |
CPUクーラーはAMD純正の「Wraith Stealth」が付属する。LEDなどは搭載していないシンプルな製品 |
定格クロックは3.6GHz、最大ブーストクロックは4.1GHzで、このクラスでは標準的な仕様。むしろ本製品において注目すべきは、16MBのL3キャッシュを備えている点だろう。前世代の「Ryzen 5 2500X」では8MBだったところを2倍に強化したわけだが、このあたりがどのようにパフォーマンスへ影響するかは、後半のベンチマークセッションで紐解いていこう。
まずはRyzen 5 3500の外観をチェックしていこう。表面に製品型番やAMDロゴ、OPNなどが記載されたヒートスプレッダを装着する、おなじみのスタイル。そして、裏面Socket AM4接続用の1,331本のピンを備える。
評価サンプルはパッケージ版ではなく、小ぶりなケースに入った状態で到着した。製品版には「Wraith Stealth」クーラーが付属する |
表面・裏面ともに、他の第3世代Ryzenの外観を踏襲。ヒートスプレッダ左上に「Ryzen 5 3500」の型番が刻印されている |
Socket AM4に装着した状態 |