エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.832
2020.02.19 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
テストセッションのラストは1TBモデルの「M700-1TB」を使い、コントローラの発熱をチェックしていこう。負荷テストは「CrystalDiskMark 7.0.0」のデータサイズ64GiB、テスト回数5回を3回連続で実施。その温度と転送速度の推移を「HWiNFO64」で測定した。
高性能な分、発熱の大きいNVMe M.2 SSD。だが、BIOSTAR「M700」は、これまでチェックしてきた製品に比べて温度上昇が緩やかで、ヒートシンクのない状態でも1回目のテストでは、ほぼ最高値に近い性能を発揮する。さすがに2回以降は81℃まで温度が上昇し、読込を中心にサーマルスロットリングと思われる症状が発生しているが、性能の低下も他の製品に比べて低く抑えられている。
またヒートシンクを装着すると約20℃温度が低下し、最高でも62℃までしか上がらなかった。今回はASRock「Z390 Extreme4」に付属のものを使用しているが、標準装備されていない場合は1,000円前後で購入できる簡易的ヒートシンクでも問題ないだろう。
ヒートシンクなし/アイドル時のサーモグラフィー結果 | ヒートシンクなし/高負荷時のサーモグラフィー結果 |
マザーボードヒートシンク搭載時/アイドル時のサーモグラフィー結果 | マザーボードヒートシンク搭載時/高負荷時のサーモグラフィー結果 |
サーモグラフィーの結果を見ても、コントローラ付近の温度は最大で82℃前後。ハイエンドモデルでは90℃を超える製品も多いことを考えれば、やはり発熱はかなり抑えられているようだ。
SATA3.0(6Gbps)SSDでは、エントリーモデルを中心に一般的になっている一方で、NVMe M.2 SSDでは未だそれほど多くないDRAMキャッシュレスSSD。256GBモデルでは、書込は全体的にやや苦手だが、読込はシーケンシャル、ランダムとも良好なパフォーマンスを発揮。価格も税込5,000円前後と安価なことから、アプリケーションやゲームの起動ドライブとして使えば、その力を十分発揮してくれることだろう。
そして1TBモデルに目を向けると、シーケンシャルアクセスは読込・書込とも公称値を超えるスコア。ランダムアクセスはいずれも200,000IOPSを楽に上回り、NVMe M.2 SSDのミドルレンジ製品に匹敵する性能を発揮する。これだけのパフォーマンスが出れば、HDDをベースにしたPCはもちろんのこと、SATA3.0(6Gbps)SSDからのアップグレードでもその違いを体感できるはずだ。
手持ちのNVMe M.2 SSDケースに搭載したところ。USB3.1 Gen.2接続に対応した製品なら、シーケンシャルは1,000MB/sec前後、ランダムアクセスも50,000IOPS以上の高速アクセスが可能だ |
またNVMe M.2 SSDとしては控えめな発熱を活かし、最近ラインナップが増えているUSB3.1 Gen.2対応のNVMe SSDケースと組み合わせて、高速かつ大容量な外付けドライブとして使うのもオススメだ。
協力:BIOSTAR Microtech International Corp.
株式会社アユート