エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.834
2020.02.25 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
次に「ATTO Disk Benchmark 4.00」でもシーケンシャルアクセスの性能をチェックしておこう。
【ATTO Disk Benchmark 4.00】 |
シーケンシャル読込は最高994MB/sec、書込は最高890MB/secで、スコア的には「AS SSD Benchmark 2.0.6821.41776」と「CrystalDiskMark 7.0.0」のちょうど中間といったイメージ。ここまでのスコアを見る限り、シーケンシャルアクセスについては、どのようなデータでもSATA3.0(6Gbps)SSDを上回るパフォーマンスが期待できる。
「HyperDisk」では、フィン構造を備えた高熱伝導アルミニウム筐体を使い、内蔵NVMe M.2 SSDの発熱を効率的に冷却することで、サーマルスロットリングを抑制。常に安定したパフォーマンスが発揮できるという。そこでテストセッションのラストは、筐体の冷却性能をチェックしていくことにしよう。
負荷テストは「CrystalDiskMark 7.0.0」のデータサイズ64GiB、テスト回数5回を3回連続で実施。なお今回はJMicronの変換チップを経由しているため「HWiNFO64」での温度取得ができなかった。そこで「CrystalDiskInfo 8.4.0」の自動更新機能を使い、温度を確認しながらテストを行うことにした。自動更新の間隔が最短でも1分とやや長いため、いつもより精度は低くなるが、おおよその傾向は掴むことができるだろう。
「HWiNFO64」で確認をしたところ。転送速度や総アクセス量は確認できたが、温度の項目が表示されなかった |
アイドル時の「CrystalDiskInfo 8.4.0」の結果。温度は44~45℃で推移していた | 高負荷時の「CrystalDiskInfo 8.4.0」の結果。今回のテスト中の最高温度は55℃ |
テスト1回目の「CrystalDiskMark 7.0.0」の結果 | テスト3回目の「CrystalDiskMark 7.0.0」の結果 |
アイドル時の温度は45℃前後、高負荷時でも55℃を超えることはなかった。また最も温度が低いテスト1回目と、最も温度が高くなるテスト3回目のスコアにも違いはなく、アルミニウム製筐体によるパッシブ方式の放熱だが十分な冷却性能が確保されている。
アイドル時のサーモグラフィー結果 | 高負荷時のサーモグラフィー結果 |
またサーモグラフィーの結果を確認するとコントローラのあると思われる部分を中心に、熱が拡散している様子が見て取れる。さらに高負荷時は最大温度が約5℃、平均温度も約3℃上昇しており、筐体全体で放熱が行われているようだ。
USB3.1 Gen.2接続のポータブルSSDでは最小クラスながら、インターフェイスの限界に迫る転送速度を謳う「HyperDisk」。今回の検証結果を見る限り、シーケンシャルアクセスについては読込・書込とも謳い文句通りのパフォーマンスを発揮。特に高解像度・高画質化によってデータサイズの肥大化が進む動画や画像データの持ち運びでは重宝するだろう。
またランダムアクセスについてもSATA3.0(6Gbps)SSDのミドルレンジ並の転送速度を実現。これ以上の転送速度が必要なら、汎用性や小型化といったメリットを捨てThunderbolt 3環境を導入する必要がある。
あらかじめ2種類のケーブルが付属するため幅広いデバイスで利用可能。コンパクトなサイズを活かして、スマートフォンやコンシューマゲーム機との連携もオススメだ |
そして小型筐体ということで、当初心配していた発熱面も問題なし。筐体の作りもしっかりしており、やや乱暴に持ち運んだ場合でも故障する心配はないだろう。転送速度だけでなく、汎用性や耐久性にも配慮した「HyperDisk」は、大量のデータを常に持ち運びたいユーザーにはマストアイテムになりそうだ。
協力:Aismode International Holdings Co., Limited(ChargeLabsブランド)