エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.836
2020.02.29 更新
文:撮影・pepe
ここからはAdobe関連のベンチマークをチェックしてみよう。まずは定番の写真編集現像ツール「Adobe Lightroom Classic」の性能をスクリプトベンチマーク「PugetBench for Lightroom Classic」を使用して計測。なお、本ベンチマークはベータ版であり、実⾏される環境等の違いでスコアが左右されるため参考程度としてほしい。
このベンチマークテストは22MP.CR2 RAW、42MP.ARW RAW、45MP.NEF RAWデータをそれぞれ500枚ずつ、ライブラリ画面で順次選択した際に表示されるまでの所要時間、現像パネルへの切り替え所要時間、WBやトーンの適用、スポットブラシを使用した際のタイムラグ等を調べる「アクティブ」テスト、500枚のスマートプレビュー、パノラマ合成、HDR合成、50枚のJPEG画像を品質60に設定したエクスポート、50枚のDNG変換等を行う「パッシブ」テストから構成される。
また参考となるサンプルには、CPUにRyzen 9 3950X、グラフィックスカードにNVIDIA GeForce RTX 2080 Ti 11GB、メインメモリが64GB(DDR4-2933)、ストレージにSamsung 960 Pro 1TB、OSにWindows 10を搭載したPCのスコアを採用している。
結果から述べると、想像よりもスコアが高くRyzen 7 3700Uを搭載した「HP ENVY x360 13-ar0102AU」で「Adobe Lightroom Classic」は十分使えるだろう。NVMeに対応する高速ストレージの恩恵もあり、特に写真の読み込みやプレビューといったアクティブテストはRAWデータの参照にも関わらずモバイルノートとは思えない機敏さを持っている。個別のタスクを見れば性能不足の部分もあるが、撮影した写真をひとまずノートパソコンに取り込みカタログ管理を行い、その日撮影した写真の選別やレーティングといった作業は問題がない。現場では簡易チェック、後にメインマシンで再編集といったスタイルに最適だ。
続いて定番の画像編集ツール「Adobe Photoshop CC」の性能を把握できる、スクリプトベンチマーク「PugetBench for Photoshop」を⽤意した。なお、本ベンチマークはベータ版であり、実⾏される環境等の違いでスコアが左右されるため参考程度としてほしい。
テストに使用するRAWデータは1,800万画素となるが、これも高速なストレージ性能のおかげで読み込みは非常に高速な結果となった。シングルコア性能を必要とする自動範囲選択をはじめ、ノイズ除去、シャープネス、ブラーといった負荷の高いフィルターテスト、メモリを多く消費するPSD拡張子の扱いでは処理に時間がかかってしまうため作業内容を限定する必要がある。
続いてプロフェッショナル向けの映像編集ツール「Adobe Premiere Pro」の処理性能を確認しよう。使⽤するベンチマークは、同じくPuget Systemsが公開する「PugetBench for Premiere Pro」だ。なお、本ベンチマークはベータ版であり、実⾏される環境等の違いでスコアが左右される。参考程度としてほしい。
モバイル向けのCPUを搭載したノートパソコンで「Adobe Premiere Pro」は使えるのか、結果から先に言うと、タイムラインへのインポートは問題無いが、1/2画質でも「Live Playback」で1fps以下となってしまうため現実的ではないようだ。ただしこのベンチマークで使用している素材が4K59.94fpsの重量級フッテージであるため、フルHD素材等であればその限りではないだろう。