エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.837
2020.03.03 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
まずは定番の3Dレンダリングベンチマーク「CINEBENCH R15/R20」を使い、CPUの純粋なパフォーマンスをチェックしていこう。
「CINEBENCH R15」のスコアを確認すると、シングルコアテストは60cbで、最新のデスクトップ向けミドルレンジRyzen 5 3500との比較で3分の1以下、「CINEBENCH R15」に参考として登録されているCeleron G3900との比較でも5割強という結果。またマルチコアテストは167cbで、シングルコアからスコアは約2.8倍向上。とは言え、Ryzen 5 3500のシングルコア性能にすら追いついていない。
続いて「CINEBENCH R20」のスコアを確認していこう。こちらもシングルコアテストは151ptsで、Ryzen 5 3500の3分の1以下。マルチコアテストもシングルコアテストの2.5倍にあたる375ptsに留まり、やはりRyzen 5 3500のシングルコア性能に追いつくことはできなかった。「CINEBENCH」系のベンチマークを確認する限り、CPU性能に過度の期待は禁物。軽いオフィスワークや、Webブラウジングなどライトな作業を中心に考えたほうが懸命だろう。
続いて「3DMark」を使い、Intel UHD Graphics 600の性能を確認していく。プリセットは「Night Raid」「Sky Diver」「Fire Strike」の3種類を選択している。
「Fire Strike」および「Sky Diver」では、総合スコアは1,000ポイント未満。今回のプリセットで最も軽い「Night Raid」でも総合スコアは1,254ポイント、フレームレートはGraphics test 1で5.97fps、Graphics test 2でも8.19fpsで、テストはほぼコマ送りの状態。Intel UHD Graphics 600にゲーム性能を求めるのは難しい。
ただし、動画のデコード機能はかなり優秀。試しに「VLC」で、「ハードウェアアクセラレーションによるデコード」を有効/無効にした状態でフルHD動画(H.246/MPEG-4 AVC)を再生したところ、CPUの負荷は70%以上軽減され、動画を見ながらブラウザを開くなど、他の作業を行ってもコマ落ちすることはなかった。
「ハードウェアアクセラレーションによるデコード」を無効(左)と有効(右)にした場合。CPUの負荷が大幅に軽減されただけでなく、動作クロックも引き下げられている |