エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.837
2020.03.03 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
パフォーマンス関連のテストが一通り終了したところで、消費電力もチェックしておこう。ストレステストには「OCCT 5.5.1:POWER SUPPLY」(実行時間30分)と「Night Raid Stress Test」を使い、負荷をかけた状態を高負荷時、起動直後10分間放置した状態をアイドル時として、CPUの温度を測定した。
省電力SoCを使用しているだけあり、アイドル時は5.5W、高負荷時でも11Wを超えることはなく消費電力は極めて低い。製品がターゲットにしているモバイル用途はもちろん、良好なビデオエンコード機能を活かし、動画の“ながら見”端末のような使い方にも良さそうだ。
続いてCPUの温度もチェックしておこう。計測の条件は前項と同じで、「OCCT 5.5.1:POWER SUPPLY」と「Night Raid Stress Test」を使い負荷をかけた状態を高負荷時、起動直後10分間放置した状態をアイドル時として、CPUの温度を測定した。
CPUの温度はアイドル時が40℃、高負荷時でも65℃で頭打ち。Celeron N4100のTJunction温度である105℃まではまだかなり余裕あり、冷却性能には全く不安はない。
ベンチマークテストのラストはバッテリー駆動時間を計測する「BBench」のスコアを確認しておこう。テスト条件は「10秒ごとのキー入力」のみと、「10秒ごとのキー入力」「60秒ごとのWeb巡回」を有効にした2種類で測定を実施した。
「10秒ごとのキー入力」のみ有効にした状態では、約9時間でバッテリー残量が5%を切りに休止状態へ移行した。また「60秒ごとのWeb巡回」も有効にすると、Webページを開くたびにCPUの負荷が上がり最終的には100%に張り付いてしまう。そのためバッテリー残量が5%を切り休止状態に移行するまでの時間は約3.5時間と大幅に短縮された。
Celeron N4100の性能があまり高くないこともあり、ブラウザで開くタブが多くなるとCPUの負荷が100%に張り付く。そのためバッテリー駆動時間は約5.5時間も短くなってしまった |
3万円台前半という価格設定が魅力のCHUWI「UBook」。8GBのメモリや、256GBのSSDなど、このクラスの製品としては豪華な仕様。しかし、クアッドコアSoCであるCeleron N4100のパフォーマンスは、最新ミドルレンジCPUの3分の1以下。内蔵グラフィックスIntel UHD Graphics 600の3D性能も奮わず、正直クリエイティブな作業や、ゲームについては厳しいと言わざるを得ない。
とは言え、Webブラウジングや、画像データの閲覧、Officeアプリを使ったビジネス文書の作成など、比較的軽めの作業であれば、大きなストレスなく処理することができる。最近では、これらの作業にGoogle Chrome/Android端末や、iPadを使う人が増えているようだが、対応アプリケーションやマルチウィンドウ処理など、いまだWindowsを利用するメリットは大きい。
CHUWI「UBook」なら、OSやアプリケーションが異なることで発生するスタイル崩れの心配もなし。プレゼンテーションや社内ミーティング用の端末にもオススメだ |
また今回の検証から分かる通り、Intel UHD Graphics 600の動画デコード機能はなかなか優秀。自立するキックスタンドや、発色の良い広視野角IPSパネルを活かし、動画視聴用端末のような使い方なら大いに力を発揮してくれる。
主役を張るほどの実力はないが、サブマシンでもWindows(およびWindows専用アプリケーション)を使いたいなら、低価格かつ省スペースなCHUWI「UBook」はまさにうってつけのモデルと言えるだろう。
協力:CHUWI