エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.845
2020.03.28 更新
文:撮影・エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
TDP105WとされるRyzen 9 3950Xに対して、定格運用ではまだまだ余力を残している「ROG Strix LC 360 RGB」。そこでUEFI BIOSから電圧を1.525V、コア倍率を44倍(4.40GHz)にオーバークロックした状態でも冷却性能を試してみることにした。かなり電圧を盛ったアグレッシブなチューニングだが、サーマルスロットリングによるクロック低下なく、安定動作できるのだろうか。
UEFI BIOSからコア電圧を1.525V、コア倍率を44倍に固定した状態でもチェックを実施 |
「HWiNFO64」でも全コア4.40GHzで動作しているのが確認できた |
定格から消費電力が40W以上と大幅に増加していることもあり、CPUの温度はおおむね65℃~90℃で推移。スパイク値は最高93℃を記録しているが、テスト中に不安定になることはなかった。またクロックの低下も一切ないことから、常用レベルのチューニングで冷却性能が不足することはまずないだろう。
高負荷時のファンの回転数は、定格から約250rpm増加し、おおむね2,000rpm前後で推移。騒音値は41dBA前後で、定格からは確実に音量は増えているが、うるさく感じるほどではなかった。ただし、テスト中に短時間ながら最高回転である2,500rpmまで上昇することが何度かあり、騒音値は最高51.2dBAを記録。さすがにここまで回転数が上がるとかなり耳障りで、ゲームプレイ時や音楽を聞く場合にはヘッドセットを用意したほうがいいだろう。
今回は、ASUSの最新オールインワン型水冷ユニット「ROG Strix LC RGB」シリーズの中でも最上位に位置づけられる「ROG Strix LC360 RGB」を検証してきた。
主たる冷却性能については、16コア/32スレッドという圧倒的なマルチスレッド性能を実現した一方で、発熱も大幅に増えたRyzen 9 3950Xに対して、定格運用はもちろん、アグレッシブなチューニングでも完全に発熱を押さこむことに成功。その実力は間違いなくホンモノで、常用のオーバークロックなら、どのCPUでも冷却性能が不足することはないだろう。
またウォーターブロックや冷却ファンに搭載された、美しいアドレサブルRGB LEDもドレスアップを考えているユーザーにとっては大きなポイント。純正品だけに「Aura Sync」との親和性も高く、対応製品を組み合わせれば違和感なく、簡単に統一したイルミネーションを楽しむことができる。
「ROG Strix」シリーズで固めたハイエンドゲーミングPCを組むなら、CPUクーラーは「ROG Strix LC RGB」シリーズで決まり。あとは、使用するPCケースに合わせて、ラジエターのサイズとカラーを選ぶだけだ。
協力:ASUS JAPAN株式会社