エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.846
2020.03.31 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
次はより実際のゲームシーンを想定した挙動を確かめるため、「ファイナルファンタジーXIV:漆黒のヴィランズ」の公式ベンチマークを動かしてみよう。グラフィックス設定は「最高品質」、解像度は3,840×2,160ドットに設定し、30分間ループ実行した際の挙動を確認する。
消費電力は最大419W。「AIDA64」のテスト時に近く、「FOCUS-GM-850」が最も効率よく動作する負荷レベルだ。
さてその際の挙動はといえば、不規則な負荷がかかるゲーム系ベンチマークながら、すべての数値が驚くほどフラットな波形を作っている。電圧変動幅に至っては「3DMark」検証時とまったく同じであり、極めてブレの少ない出力特性が見て取れる。バリューゾーンの主力モデルとして、十分すぎる結果だ。
最後は同じくゲーム系のベンチマークテストから、より負荷の大きい「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION」の公式ベンチマークをチョイスした。描画品質は“高画質”で解像度は3,840×2,160ドットと、最も大きな負荷がかかるよう設定。30分間ループ再生した際の挙動をチェックしよう。
消費電力は最大441Wで、今回の検証では2番目に高い数値。変換効率的にも理想に近い環境で、実際のゲームシーンでもこのくらいの負荷が想定される。
そして結果は、テストの切れ目などで一瞬グラフがガタつくものの、ベンチマーク中は極めてフラットな挙動を示していた。そのガタつきによる変動幅も0.01%以下に収まっており、動作にまったく不安はない。重量級タイトルのベンチマークでも、これまで同様の安定した結果を確認できた。
システムの安定性に直結する電源ユニットは、地味ながらPCを構成するパーツの中でも最も重要なアイテムの一つだ。それだけにコストパフォーマンスモデルとはいえ、一定水準以上の信頼性が厳しく求められる。その点でSeasonicは、ミドルレンジ向けの歴代シリーズにおいても、信頼性に優れた製品を多数手がけてきた。それが市場におけるユーザーの厚い支持の獲得に繋がっている。
今回検証を行った「FOCUS GM」シリーズは、その系譜を正しく継承するSeasonicのバリューゾーン向け製品だ。セミモジュラーのGOLD認証モデルという“ミドルド真ん中”な仕様ながら、価格は同クラスでもやや高め。その答えは優れた品質にあり、ケーブルのほとんどない洗練された内部設計や高品質コンポーネントの採用、長寿命かつスマート制御の静音ファンなど、構成要素はどれも一級品だ。
派手さはないものの、電源ユニット本来のニーズをとらえた完成度の高さは、ミドルクラスのラインナップ中でも光るものがある。コストパフォーマンスを志向しつつ、品質にも妥協したくない。そうした向きにピタリとハマる中堅モデルの登場だ。
協力:Sea Sonic Electronics
株式会社オウルテック