エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.850
2020.04.08 更新
文:松野 将太/撮影:松枝 清顕
いよいよ「Premium-Line X570FD-A」のベンチマーク結果もチェックしていこう。今回は基礎的な性能検証に加え、ゲーム系ベンチマークや画像・動画編集ソフトでのパフォーマンスも計測している。なお、サンプル機材は標準構成からCPUとストレージをカスタマイズした特別モデルとなっており、CPUはカスタマイズ最上位の「Ryzen 9 3950X」、ストレージはPCI-Express3.0対応の512GB NVMe SSD「Intel 660p SSDPEKNW512G8」が搭載されていた。
「CPU-Z」で取得した「Ryzen 9 3950X」の情報 | 「CrystalDiskInfo 8.2.0」で取得したSSDの情報 |
まずは、CPUの処理性能を測る定番ベンチマーク「CINEBENCH R15」および最新版の「CINEBENCH R20」の結果を確認する。
第3世代Ryzenの最上位CPUである「Ryzen 9 3950X」のパフォーマンスはやはり特筆すべきで、CINEBENCH R15ではマルチスコアが4,000cb、CINEBENCH R20では9,000ptsを超える極めて高い値を叩き出している。シングルコアの値も決して低くないため、現行のメインストリームCPUとしての汎用性の高さは随一と言って差し支えないだろう。加えて、「Define 7」の静粛性を高めた設計もあってか、全力でベンチマークを回している際もファンの駆動音はかなり抑えられている。標準構成ではないものの、かなり満足度の高いカスタマイズになるのではないかと感じた。
CPUの次は、ストレージのベンチマーク結果を見てみよう。テストには「CrystalDiskMark 7.0.0」を使い、SSDの速度を確認している。
「CrystalDiskMark 7.0.0」、データサイズ1GiBでのテスト結果。NVMe SSDとしてはそれほど高速ではないが、それでもSATA SSDよりは2~3倍近く速い |
続いて、3D描画性能を確認できる定番ベンチマークソフト「3DMark v2.11.6846」の結果を確認していく。まずはDirectX 12対応のテスト「Time Spy」だ。プリセットはWQHD(2,560×1,440ドット)解像度の「Time Spy」、および4K解像度(3,840×2,160ドット)の「Time Spy Extreme」を選択している。
GPUがGeForce RTX 2070ということもあって、「Time Spy」では10,000近いスコアが出ており、「Time Spy Extreme」の結果も悪くはない。CPU、GPUともにハイパフォーマンスなPCなので、WQHD解像度までのゲームプレイであれば、多くのタイトルで快適動作が可能だろう。4K解像度はプレイに支障こそないが、人気のタイトルで安定して60fpsを超えるフレームレートを出したいのであれば、カスタマイズでさらに高性能な「GeForce RTX 2080 Ti」などのグラフィックスカードを選択する必要が出てくるだろう。
続いてはDirectX 11対応テストである「Fire Strike」のスコアをチェックする。プリセットは4K解像度の「Fire Strike Ultra」、WQHD解像度の「Fire Strike Extreme」、フルHD解像度(1,920×1,080ドット)の「Fire Strike」の3種類を選択した。
やはりフルHD解像度、WQHD解像度では、まったくプレイに支障のないレベルのスコアが出ている。ちなみにこういったゲーム系のベンチマークを計測している最中も、本体の騒音は非常によく押さえられており、ほとんど気にならないほどだった。ヘッドフォンをせずスピーカーで音を出しながらゲームをプレイしている場合、しだいにPCの騒音が気になってくることはままあるが、このPCであればそのような懸念はおおむね解消されそうだ。