エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.851
2020.04.10 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
一般的なキーボードに比べ奇抜な点は否めないが、肩幅をくつろげてフリースタイルで入力できる左右分割のエルゴノミクスキーボードは、身体への負担が少ないという巨大なメリットがある。とかく大柄で場所をとるモデルばかりがこのジャンルを占めていたところ、そこへ新風を吹き込んだのがMISTELだ。
これまでになかった“コンパクトな分離型”への追求はブレることなく、毎年どんなモデルがリリースされるのか、楽しみにしているキーボードマニアは少なくないだろう。今年から日本でも取り扱いがスタートした「Barocco MD770」は、まさにそうした期待に応えてくれる新モデルだった。
コンパクトかつ多機能というキーワードは魅力的ながら、やはり使い勝手の面では多少の制約を受け入れる必要がある。そこでMISTELは段階的にレイアウトを拡張、海外でもコンパクト向けの定番配列として愛好されている、75%タイプの新作を作り上げた。
一般的なキーボード同等のキーをダイレクトに入力できるようになった一方で、洗練されたスリムなフレームのおかげで、サイズアップによる圧迫感はない。見事な“MISTEL的アプローチ”の結晶だ。それぞれのユニットの剛性も素晴らしく、自分好みの傾斜をつけ、肉厚の2色成形キャップで打ち込むCHERRY MXの打鍵感の良さは無類。「Barocco」シリーズの中でも、最高傑作ではないだろうか。
協力:株式会社アーキサイト
MISTEL co,.Ltd