エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.852
2020.04.12 更新
文:撮影/エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
ダイレクトタッチ方式を除くCPUクーラーでは、受熱ベースにヒートパイプを取り付ける場合、まずはCPUに接触するベースプレートを下側から圧着し、その後上側のカバーを圧着する工程を行っている。しかし、この方法では、ベースプレートを圧着した際に、ヒートパイプから微細な粉末が発生。これがカバーを圧着する際に焼結されて、熱抵抗が増えてしまう欠点があった。
特許技術である「RDTH」により、CPUの熱を効率的にヒートシンクに移動できる | 「RDTH」では。ヒートパイプから発生する微細な粉末を除去する工程を加えることで、焼結を最小限に抑えている |
そこでZALMAN「CNPS20X」では、ベースプレートを上側から圧着し、ヒートパイプから発生する微細な粉末が入り込まないようにするとともに、吸着剤によって粉末を除去。その後ヒートシンクをひっくり返して、カバーを圧着する特許技術「Reverse Direct Touch Heatpipe」(RDTH)を採用している。これにより、焼結による熱抵抗を最小限に抑え、CPUから発生した熱を効率よくヒートシンクに拡散できるようになった。
鏡面仕上げの銅製受熱ベース。熱抵抗を最小限に抑える「RDTH」技術によって、φ6㎜x6本のヒートパイプが実装されている |
6本のヒートパイプは、それぞれのヒートシンクに等間隔に配置されている |
オープンフレームタイプの140mm口径ファン。ファンガイドは取り外された状態で、それぞれ小箱に収納されていた |
ZALMAN「CNPS20X」に付属する冷却ファンは、140mm口径のオープンフレームタイプ。インペラには、外側から内側に風を引き込むことで、強力かつ直進性のあるエアフローを実現する、大小2つのインペラを備えた「Dual Blade Impeller」を採用する。
さらにインペラの回転によって発生する騒音や振動を吸収する、蜘蛛の足をモチーフにした「生物模倣」(バイオミメティック:Biomimetic)技術や、長寿命・高耐久かつ静音性に優れる「流体動圧軸受」(FDB)を組み合わせることで、高い静音性と冷却性能を両立している。
「生物模倣」技術や、「流体動圧軸受」を採用することで、静音性を損なうことなく冷却性能を高めている |
主なスペックは、回転数が800~1,500rpm、騒音値が最大29dBA±10%、風量最大61CFM、静圧最大1.1mmH2O。なおコネクタは4pin PWMと、アドレサブルRGB LED用の5V/3pinの2種類を搭載する。
フロントのX形状のファンガードには、アドレサブルRGB LEDによるイルミネーション機能を搭載 |
ドラム部分を確認すると型番は「ZM-SF140」で、ベアリングには「流体動圧軸受」を採用していることがわかる |
大小2種類のインペラを各9枚搭載する | コネクタは4pin PWMと5V アドレサブルRGB LEDの2つが用意されている |