エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.854
2020.04.17 更新
文:撮影・エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
搭載テストに用意したのは、MSI「GeForce RTX 2060 GAMING Z 6G」。奥行き247mmの2スロット占有デザインで、VGAクーラーには「TWIN FROZR 7」が搭載されている。
グラフィックスカードの拡張スロットブラケットは、PCケース外部にネジ留めをするスタイル。上から2段目と3段目のプレートを切り外し、付属のインチネジ(Screw #6-32 6mm)で拡張スロットを固定。最後にブラケットの折り返し部分を側面から押さえつけるプレートを固定すれば、搭載作業は完了する。
最大330mmとされる有効スペース。搭載後、フロントパネルまでの距離を計測すると、約110mmほどの空間が確保できていた |
組み込みセッションの最後に、ストレージの搭載方法を確認しておこう。「MAG FORGE 100M」の搭載スペースは計3箇所。使用目的に合わせ、上手に活用したい。
「3.5インチストレージベイ」はツールフリーで3.5インチHDDが搭載可能。なお右側面から脱落防止用のネジ(Screw #6-32 10mm)を固定する事もできる |
「2.5インチストレージトレイ」はコネクタを下方向に固定すると、ケーブルの取り回しがし易くなる |
マザーボードトレイ右横の「2.5インチストレージベイ」は、2台の2.5インチSSDを縦に固定。強化ガラス製サイドパネルから搭載SSDがアピールできる |
組み上げられた「MAG FORGE 100M」を眺めてみると、改めてずいぶんと背の高いPCケースという印象を持った。とかくグラフィックスカードや、ボトムカバー(シュラウド)内部のクリアランスを確保する事に主眼を置いた、奥行きの長いPCケースの選択肢は多い。そんな中、「MAG FORGE 100M」のスタイルは、明確にターゲットが絞られている事が分かる。
背の高い理由は、当然240mmサイズラジエターのトップマウントだ。設置スペースを考慮したPCケースというコンセプトから、幅は210mmに留められている。ATX規格のマザーボードとラジエター(+冷却ファン)が物理的に干渉を起こさない汎用性を確保するには、どうしても背を高くする必要があった。さらにエントリークラスに位置付ける「MAG」とあって、グラフィックスカードの有効スペースは300mm前後あれば、ユーザーの要件に適うと割り切られている。ストレージの収納力は近頃のハイエンド系PCケースと見比べても、大きく違わない。唯一、電源ユニット搭載スペースに余裕が欲しいところだが、選択を間違えなければ、さほど問題にはならないだろう。
ハイエンドシステムなら既存の「MPG」シリーズがある。「MAG」シリーズに属する「MAG FORGE 100M」は、ほどよいエントリークラスのユーザーから、もう少し拡張を「楽しみたい」「試してみたい」という要望に先回りした設計と言えるだろう。思いのほか守備範囲は広そうだ。
協力:エムエスアイコンピュータージャパン株式会社