エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.855
2020.04.19 更新
文:撮影/松野 将太
もうひとつ、人気シューター系タイトルである「フォートナイト」でもフレームレートを計測してみよう。画質は“最高”で、APIはDirectX12、解像度は1,920×1,080ドット、2,560×1,440ドット、3,840×2,160ドットの3種類。クリエイティブのマップで一定コースを移動した際の1分間の平均・最小フレームレートを計測した。
2019年末にDirectX 12対応を果たしたフォートナイトだが、フルHD解像度ではいずれの製品も安定して平均60fpsを超える結果が出ている。WQHD解像度では「Radeon RX 5500 XT Challenger D 8G OC」の平均フレームレートが60fpsを割り込んでしまうが、「Radeon RX 5600 XT Phantom Gaming D2 6G OC」は約80fps、「Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」は約108fpsと、引き続き良好な値を記録している。総じて、フルHD解像度でごく普通にプレイするのであれば「Radeon RX 5500 XT Challenger D 8G OC」、ハイリフレッシュレート液晶やさらなる高解像度でのプレイを望むのであれば、「Radeon RX 5600 XT Phantom Gaming D2 6G OC」「Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」がおすすめできるだろう。こうした線引きは、多くのタイトルで有効と言えそうだ。
セッションの最後に、GPU温度をチェックしておこう。テスト方法は、「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク」を連続3回実行した際の温度の推移を「HWivNFO 64」で取得している。
いずれの製品も、「GPU Temperature」の値は高くとも70℃程度に抑えられており、発熱をしっかりと制御できていることが分かる。また、「Radeon RX 5500 XT Challenger D 8G OC」および「Radeon RX 5600 XT Phantom Gaming D2 6G OC」に関しては「GPU Hot Spot Temperature」の値も80℃以下に抑えられている。なお、「Radeon RX 5700 XT Taichi X 8G OC+」に関しては、最大で90℃をマークしているが、カードの厚みが2.5スロットに抑えられていることを考えれば妥当な値だ。「GPU Temperature」の値が大きくならない限り、高負荷時の温度に関してはあまり神経質になる必要はない。
ここまで見てきたように、ASRockの「Radeon RX 5000」シリーズ搭載グラフィックスカードは、高い解像度で画質設定にこだわらず存分にゲームを楽しめる「Taichi」、パフォーマンス・機能に過不足ない仕様で、今どきのLED発光機能による外観統一にこだわることができる「Phantom Gaming」、シンプルにコストパフォーマンスを突き詰めた「Challenger」をラインナップしており、いずれも性能や機能、冷却性能とも満足のいくものだ。カジュアルゲーマーからハイエンド志向のコアゲーマーまで、幅広いユーザー層をカバーできており、どのGPU搭載カードにも複数の選択肢があるため、自分のPCにマッチする製品を選ぶ楽しみも味わえる。
加えて「Radeon Software Adrenalin 2020 Edition」の本格的な提供開始も含め、昨年のリリース当初よりも「Radeon RX 5000」シリーズを利用するための環境は整っている。「バイオハザード RE:3」など、人気作のゲームバンドルキャンペーンが盛んなことも、ゲーマーにとっては嬉しい側面だ。現行のRadeonラインナップにおいて、ASRock製グラフィックスカードは魅力的なチョイスに違いないだろう。
協力:ASRock Incorporation