エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.865
2020.05.07 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
Ryzen 3 3100 市場想定売価税抜11,980円(5月23日国内発売開始)製品情報(日本AMD株式会社) Ryzen 3 3300X 市場想定売価税抜13,980円(5月23日国内発売開始)製品情報(日本AMD株式会社) |
昨年7月に登場した第1弾を皮切りに、11月にはフラッグシップのRyzen 9 3950Xが、今年2月にはミドルレンジのRyzen 5 3500が追加されるなど、着実にラインナップの拡充が進む第3世代Ryzen。そこに、物理4コアとなるエントリーモデル「Ryzen 3 3100」「Ryzen 3 3300X」が新たに追加されることになった。
「Ryzen 3」が追加されたことで、第3世代Ryzenですべてのセグメントの製品が出揃ったことになる |
コンシューマ向け「Ryzen 3」シリーズでは、APUを除けば初代ZenアーキテクチャのRyzen 3 1300XやRyzen 3 1200以来約3年ぶりとなる新作で、初めてマルチスレッディング機能「Simultaneous Multi-Threading」(SMT)が有効化されている。これによりエントリーモデルのCPUでは珍しく、8スレッドの同時処理が可能になった。
GPUを統合したAPUや、OEM向けのRyzen 3 2300Xを除けば、初代Ryzen以来となる「Ryzen 3」シリーズの新モデルだ |
コアアーキテクチャはこれまでの第3世代Ryzenと同じ「Zen 2」で、いずれも7nmのCPUダイ「CCD」を1基と、12nmのメモリ/インターフェイスを担うI/Oダイ「cIOD」を組み合わせたチップレット方式を採用する。
ただし「CCD」内の「Core Complex」(CCX)はRyzen 3 3100が、2コア/4スレッドの「CCX」を2基実装する(2+2)なのに対して、上位モデルRyzen 3 3300Xでは、4コア/8スレッドの「CCX」を1基実装する(4+0)構成。AMDの資料によれば、(4+0)の構成では、全てのコアでL3キャッシュが共有できる他、コア間のレイテンシも削減でき、より高いパフォーマンスを発揮できるという。
Ryzen 3 3100とRyzen 3 3300Xでは、動作クロック以外に「CCX」の構成が異なる |
動作クロックはRyzen 3 3100がベースクロック3.60GHz、ブーストクロック最高3.90GHz、Ryzen 3 3300Xがベースクロック3.80GHz、ブーストクロック最高4.30GHz。その他スペックは同等で、L2キャッシュは2MB、L3キャッシュは16MB、TDPは65W、CPUクーラーは「Wraith Stealth」が付属。ソケットはSocket AM4、バスインターフェイスはPCI-Express4.0で、チップセットはAMD 400シリーズ以降に対応する。
チップセットはAMD 400シリーズ以降に対応。なお「Ryzen 3」シリーズとの組み合わせに良さそうなPCI-Express4.0対応のミドルレンジチップセット「AMD B550」も6月中に登場予定だ |