エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.867
2020.05.11 更新
文:撮影・エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
Fractal DesignのPCケースは現在7シリーズに分類されている。コンセプトが明確なラインナップは、どれも眺めているだけで楽しい。正統派静音筐体からスタートした同社は、自作PC市場の流行をくみ取り、多くのラインナップを擁するまでに成長した。個性的な製品群は世界中の自作派から支持を集め、国内においても数あるPCメーカーの中では一目置かれる存在として認知されている。
そして今回取り上げる期待の新作「Era ITX」は、Intelのコラボレーションモデルとして企画されたMini-ITX専用のミニPC。容量は16リットルとされ、コンパクトなボディながら、Fractal Designらしい外観が特徴的な筐体に仕上げられている。
机上のスピーカーと並んだ「Era ITX」は、わずかに映り込むヘッドホンやマウスの大きさから、かなり小型である事が分かるだろう。多くは足元に設置するミドルタワーPCケースとは違い、生活目線に据え置く事を前提に、アプローチが異なる新たな”魅せるPCケース”という概念でデザインされている。
Era ITX Carbon-TG(型番:FD-CA-ERA-ITX-BK) 市場想定売価税込26,400円(2020年5月15日発売) 製品情報(Fractal Design / 株式会社アスク) |
内部構成は複数のパターンで構築が可能。自作PC魂に火をつけるワクワク感が「Era ITX」にはある |
「Era ITX」には合計5種類がラインナップする。ボディカラーのバリエーションは5色(シルバー、グレイ、ブラック、ゴールド、ブルー)。さらにトップパネルはシルバーがホワイトオークウッド、グレイがウォールナットウッド、ブラック・ゴールド・ブルーがDark tinted TGと、それぞれのカラーに組み合わされている。
左からCarbon-TG、Cobalt-TG、Gold-TG、Titanium Gray-Walnut、Silver-White Oak |
評価サンプルを箱から取り出す前に、スペック表から「Era ITX」の概要を掴んでおこう。対応フォームファクタはMini-ITX規格に限定。素材は外装パネルがアルミニウムで、フレーム部分がスチール製。そして副素材にプラスチックが使われ、今回取り上げる「Era ITX Carbon-TG」の天板には強化ガラスが採用されている。
外形寸法は幅166mm、奥行き325mm、高さ310mmで、重量は約3.97kgと軽い。ちなみにオプションの電源ユニットはATXも搭載可能。16リットルの内部容積を無駄なく使いたければ、拡張性に有利なSFX/SFX-Lをチョイスしたい。
「Era ITX」の外装パッケージ。外形寸法は幅240mm、奥行き385mm、高さ420mmで、梱包材および付属品を含めた総重量は4.93kgとされる。さすがMini-ITXケースとあって、店頭購入による持ち帰りは十分に可能なサイズに収められている |