エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.868
2020.05.14 更新
文:/撮影・pepe
ここからは負荷テストにおけるCPUとGPUの温度をチェックしていこう。ストレステストは意図的に高負荷を掛けるロードテストとして、CPUとメモリに負荷をかける「Prime 95」と、グラフィックスカードに負荷をかける「FurMark」を同時に実行。疑似的にシステム全体を強制フルロード状態にして60分間のログを取得している。温度の計測には「HWiNFO」を使用し、計測時の室温は25℃だった。
CPUは概ね78℃程度まで上昇、まれに80℃を超えるタイミングがあるがこれは温度によるCPU倍率の変動と、ファン回転数で設定されているヒステリシスの兼ね合いとみられる。ASUSのファンコントロールソフトウェア「Fan Xpert」などでさらに追い込んだ設定を行えば、より静音性を高めることができるかもしれない。GPUは14分前後で最高温度の81℃に到達してからは安定しており、効率的なエアフローにより冷却できているのが分かる。連続した高負荷やこれからの季節など、温度が上がりやすい環境においても安定したパフォーマンスを発揮するだろう。
続いて筐体周辺の騒音値をチェックしていこう。テスト条件は先ほどの「ベンチマークテスト:CPU/GPU温度」実施中に、トップ、フロント、右側面、左側面から30cm離れた場所にデジタルサウンドメーターを設置し、テスト中の最大値を記録している。
アイドル時は暗騒音値から+1dBA程度に収まっており、ゲーミングマシンらしからぬ大人しさを感じる。負荷時に最も高い数値を記録したのは、4mm厚の強化ガラスを採用する左側面で49.6dBAとなった。エアフローを重視した、高冷却仕様のPCケース相応の結果となっているが、50dBA以下であればゲーミングPCとしては標準的なノイズレベルが低いと言って差し支えない。
最後のテストは消費電力をチェックしよう。先ほど同様に「ベンチマークテスト:CPU/GPU温度」実施中の消費電力を計測した。また、アイドル時は起動直後約5分放置した数値を採用している。
アイドル時の消費電力は62W、意図的に高負荷を掛けるロードテスト実施中の最大消費電力は382Wとなった。採用されている電源ユニットは80PLUS GOLD認証の750W出力であるため、仕様上最高の変換効率でシステムにあった運用ができている。
戦国ゲーミングとのコラボレーションによって誕生したSengoku Gaming BTO「SGI79700KA1Z250TMD」。特徴的なのは、グラフィックスカードが完全オプションで、標準状態ではオンボードになっていることだ。グラフィックスカードはエントリーからフラッグシップまで幅広いグレードから選択できるため、例えば負荷の軽いタイトルであればエントリークラス、最新のDirectX12を使用する重量級であればGeForce RTX 2080 SUPERやGeForce RTX 2080Tiを選択するなど、実際にプレイするゲームタイトルや目標とするフレームレートに合わせて自由に選ぶことができる。評価機はCore i7-9700K+GeForce RTX 2060 SUPERという組み合わせであったが、今回実施したベンチマークテストの結果を参考に構成を検討してもらいたい。
また最近はメニーコア、メニースレッドのCPU人気が高く、ジャンルや用途を問わずに採用されることもあるが、現状ほとんどのゲーミングタイトルではコアやスレッド数によるマルチスレッド性能よりも、シングルコア性能や動作クロックの高さが要求されることが多い。そうしたゲーミング事情を踏まえて最適化されたマシン構成により、プロゲーマーも認める即戦力仕様になっている。さらにPCケースから冷却ファン、オールインワン型水冷、メモリに至るまで、豪華なRGBイルミネーションで飾られた、魅せる仕様もトピック。性能もデザインにもこだわった、ゲームプレイのモチベーションを最高に高めてくれる1台だ。
協力:アプライド株式会社