エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.872
2020.05.22 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
最後に、ストレステストを実行して、定格および手動オーバークロック時の電源回路の発熱を確認しておこう。アイドル時は起動直後10分間放置した状態、高負荷時は「OCCT 5.5.7」で30分間負荷をかけた状態でサーモグラフィを撮影した。
定格:アイドル時のサーモグラフィ結果 | 定格:高負荷時のサーモグラフィ結果 |
手動オーバークロック:アイドル時のサーモグラフィ結果 | 手動オーバークロック:高負荷時のサーモグラフィ結果 |
まずアイドル時の温度を確認すると、手動オーバークロックではコア電圧が固定され、約60Wも消費電力が増えているため、定格に比べて全体的に温度が高くなっている。
また高負荷時の温度は、手動オーバークロックによって平均で6℃、最大値は8.5℃上昇した。とは言え、80Wも消費電力が増えているにもかかわらず、最高でも60℃を超えることはなく、Core i9-10900Kでも常用レベルのオーバークロックであれば電源回路の冷却にはまだ余力が十分残されているようだ。
ASUSのIntel Z490マザーボードでは、ちょうど中間に位置づけられる「ROG STRIX Z490-F GAMING」。しかしCPU電源には、Power Stage「Dr.MOS」をはじめとした、高品質パーツによる12+2フェーズ回路を搭載。TDPが125Wに引き上げられたCore i9-10900Kの定格動作はもちろん、大幅に消費電力が増加するオーバークロックでも全く動作に問題なし。冷却性能にもまだ余裕があり、常用レベルのチューニングで不満が出ることはないだろう。
さらに高音質オーディオ回路「SupremeFX」や、「AI Overclocking」「AI Cooling」「AI Networking」の3つのインテリジェント機能など、他社にはないユニークな機能も数多く実装されている。個人的にはIntel Wi-Fi 6 AX201による無線LAN機能がないのはやや残念だが、こちらも増設用のM.2スロットがしっかりと用意されており、大きな問題にはならない。
最も売れ筋になるであろう、ミドルレンジ帯に投入された「ROG STRIX Z490-F GAMING」。しかし、その実力はミドルレンジの範疇を超え、ハイエンドモデルと比べても遜色ない秀作モデルだった。
協力:ASUS JAPAN株式会社