エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.880
2020.06.16 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
高品質なパーツを使用する一方で、フェーズ数は控えめなことが多かった「Steel Legend」。しかし「B550 Steel Legend」では、シリーズ最高峰の14フェーズ回路を搭載 |
やや前置きが長くなったが、ここからは編集部に届けられた「B550 Steel Legend」の詳細検証を進めていこう。まずはPCの安定性やオーバークロック耐性を司るCPUソケット周りからだ。電源回路は、Socket AM4マザーボードの中でも最高クラスとなる14フェーズ構成で、コントローラにはCPUが必要とする電力を素早く供給するデジタルVRM「Digi Power」を採用する。
さらにAMD X570チップセットのハイエンドモデルでも使用されている「50A Dr.MOS」や、「Premium 60A Power Choke」、最低12,000時間以上の製品寿命を誇る「Nichicon 12K Black Caps」など、高品質なパーツを組み合わせることで、最高95%という非常に高い電源効率を実現。極限の条件下でもCPUの性能を十分発揮することができるという。
CPUのソケットはこれまでと同じSocket AM4。プラスチック製のCPUクーラーリテンションも同じものが採用されている |
MOSFETヒートシンクを取り外したところ。電源回路は、CPUソケットの左側と上側に分かれて実装されている |
ファンの風が抜けるよう、電源回路のチョークコイル間には隙間が設けられている。なおややズレがあるのはご愛嬌 |
チョークコイルは「Premium 60A Power Choke」で、MOSFETにはハイサイドMOSFET、ローサイドMOSFET、ドライバICを統合した「50A Dr.MOS」を搭載 |
コンデンサはブラックに塗装された、ASRockおなじみの「Nichicon 12K Black Caps」 | 「Digi Power」ことデジタルPWMコントローラRenesas Electronics「RAA229004」 |
「Dr.MOS」をはじめとした高品質なパーツを採用したことで、最高95%という高い電源効率を達成した |
また電源回路の発熱を効率的に冷却するため、2ブロック構成の大型ヒートシンク「XXLアルミニウム合金ヒートシンク」を標準装備。PCBは放熱性に優れるだけでなく、安定した信号トレースと電力供給を可能にする「2oz Copper PCB」で、電源コネクタには電力損失を23%も低減した「Hi-Density Power Connector」を採用する。
ヒートパイプこそ使用されていないが、大型のアルミニウム製ヒートシンクを実装 | PCBは「2oz Copper PCB」で、CPUソケットの裏側にはメタル製のバックプレートを搭載 |
ATX 24pinとCPU 8+4pinコネクタは、いずれも「Hi-Density Power Connector」。電源損失が少なく、標準コネクタに比べて温度は22℃も低くなっているという |
AMD B550は、AMD X570に比べて発熱が抑えられているようで、冷却システムには、M.2ヒートシンク「M.2 Armor」一体型カバーと、小型ヒートシンクで構成される2層構造のファンレスヒートシンクを搭載。実際にテストをしていても不安定な挙動を示すことはなく、冷却性能に問題はなかった。
「M.2 Armor」一体型のカバーを外すと、実測縦37mm、横50mmの小型ヒートシンクが姿を現す。実際にテストをしていても冷却性能が不足することはなかった |
AMD B550チップセット。PCI-Express4.0はCPUレーンのみのため、発熱が抑えられているようだ |