エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.884
2020.07.02 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一/池西 樹/撮影:pepe
最後にストレステスト「Time Spy Extreme Stress Test」を実行し、ファン回転数とGPU温度の推移をチェックしていこう。
GPU温度は最も高性能な「NITRO+ RX 5700 XT 8G GDDR6」でも最大72℃、「PULSE RX 5600 XT 8G GDDR6」と「PULSE RX 5500 XT 8G GDDR6」では70℃を超えることが一度もなかった。そして110℃までが許容値とされるHotspot温度も最大94℃止まり、VGAクーラーの冷却性能はいずれも優秀だ。
また、回転数は95mmファンを2基搭載する「PULSE RX 5600 XT 8G GDDR6」と「PULSE RX 5500 XT 8G GDDR6」では、約30%の1,000rpm前後。92mmファンを3基搭載する「NITRO+ RX 5700 XT 8G GDDR6」においても、約50%の1,800rpm前後で頭打ち。ノイズレベルも前者が38dBA前後、後者が40dBA前後で、バルク状態でも不快に感じることはなかった。今回紹介した3モデルであれば、どれを選んでもノイズに悩まされる心配はないだろう。
WQHD(1,440p)ゲーミングを想定した「NITRO+ RADEON RX 5700 XT 8G」と、フルHD(1,080p)ゲーミング向けの「PULSE RADEON RX 5600 XT 6G」および「PULSE RADEON RX 5500 XT 8G」は、いずれもターゲット解像度における確かな実力を証明してくれた。特にオーバークロック仕様の上位2モデルは、タイトル次第ではよりハイグレードな環境でのプレイ、または高リフレッシュレートなゲーミング液晶の導入が狙える。
そして同じフルHDを主戦場とする「PULSE RADEON RX 5600 XT 6G」と「PULSE RADEON RX 5500 XT 8G」の2モデルは、Radeon RX 5600 XTに最新V-BIOSが適用された影響から、思いのほか性能差が大きい。「PULSE RADEON RX 5600 XT 6G」は競合上位のGeForce RTX 2070に迫る実力があり、より幅広いタイトルを快適にプレイできるポテンシャルを備えている。
また、その性能を支えるクーラーの完成度が素晴らしい。さすがどのモデルも大型のクーラーを採用しているだけに、冷却性能と静音性はかなり優秀だ。他メーカーの場合、特にミドルレンジモデルのクーラーは高負荷時に耳障りになる製品も少なくない中で、「PULSE RADEON RX 5600 XT 6G」および「PULSE RADEON RX 5500 XT 8G」の静粛さは印象的だった。「NITRO+ RADEON RX 5700 XT 8G」が搭載する「Tri-X」は言わずもがな。トップクラスの性能をもつクーラーは、SAPPHIRE製品の大きなアドバンテージと言える。
ただしそのトレードオフとして、組み込みの自由度がやや低い点には留意する必要がある。冷却性能と静音性にフォーカスした結果、「PULSE RADEON RX 5500 XT 8G」以外の2モデルは2.5スロットを占有。「NITRO+ RADEON RX 5700 XT 8G」に至っては全長が300mm超に達するほか、全モデル共通で背丈(縦幅)がかなり大きなデザインになっている。
もっとも、こうした“難点”が障害となるのは、ほぼスモールフォームファクタ環境に限られる。昨今のミドルタワーPCケースは大型化の傾向にあり、最低限の配慮でSAPPHIREグラフィックスカードの求める居住性を満たすことができるはずだ。必要とするパフォーマンスとともにクリアランスを見極め、クラス最高レベルのグラフィックスカードを手に入れよう。
購入期間2020年7月26日(日)までに対象製品を購入すると、先着500名にオリジナルVGAステイがもらえるキャンペーン実施中。応募期間は8月2日(日)まで。詳細はこちらのキャンペーンサイトを参照のこと。
協力:株式会社アスク
SAPPHIRE TECHNOLOGY LIMITED