エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.891
2020.07.18 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
ベンチマークテストのラストは、コントローラの温度を確認していこう。計測は、ヒートシンクを搭載しないそのままの状態と、ASRock「Z390 Extreme4」に標準装備されているM.2ヒートシンクを搭載した場合の2つの条件で測定を実施。負荷テストは「CrystalDiskMark 7.0.0」のデータサイズ64GiB、テスト回数9回を3回連続で実施。その温度と転送速度の推移を「HWiNFO64」で測定した。なお「P5」シリーズには、「温度センサー1」と「温度センサー2」の2つの温度センサーが実装されていたため、今回は両方のスコアを記載している。
ヒートシンクなし | ヒートシンク装着時 |
ヒートシンクがない状態では、前準備となるテストデータの書込時からぐんぐん温度が上昇し、温度が低めに出る「温度センサー1」でも75℃、温度の高い「温度センサー2」では105℃を記録。その後はサーマルスロットリングによって温度上昇は抑えられるものの、パフォーマンスが安定しなくなる
一方、ASRock「Z390 Extreme 4」のヒートシンクを実装すると、最高温度は「温度センサー1」で65℃、「温度センサー2」でも85℃まで低下。「温度センサー2」の数値はやや高いものの、サーマルスロットリングによる速度低下は見られず、読込・書込ともパフォーマンスが安定するようになった。
ヒートシンクなし/アイドル時のサーモグラフィ結果 | ヒートシンクなし/高負荷時のサーモグラフィ結果 |
ヒートシンク装着時/アイドル時のサーモグラフィ結果 | ヒートシンク装着時/高負荷時のサーモグラフィ結果 |
またサーモグラフィの結果を確認すると、ヒートシンクなしの状態では、アイドル時でも60.1℃、高負荷時には90℃を超える箇所があるなど温度はかなり高い。マザーボードにM.2 SSDヒートシンクがない場合は、サードパーティ製のヒートシンクを購入するか、ケースファンの風が直接当たるようにするなど、何らかの冷却対策は必要だろう。
NANDフラッシュだけでなく、コントローラやキャッシュ用のDRAMもMicron製という、完全インハウス仕様で登場したCrucial「P5」シリーズ。すでにPCI-Express4.0(x4)SSDが出揃っていることもあり、ややインパクトに欠けるものの、PCI-Express3.0(x4)SSDの中では、シーケンシャル・ランダムとも最高峰のパフォーマンスを発揮する。
またデータサイズや圧縮率の影響がなく、常に安定したデータ転送が期待できるのも大きなメリット。特にこれまで多くの製品でスコアが大幅に落ち込んでいた、「CrystalDiskMark 7.0.0」の64GiBテストでも全くブレはなく、3DCGレンダリングや、AAAクラスの大作ゲームのような、サイズの大きいデータを頻繁に扱う用途にはオススメだ。
まさに“満を持して”という言葉がピッタリの「P5」シリーズ。後発製品らしく最適化も進んでおり、パフォーマンス、安定性とも満足の行く仕上がりだ。またCrucialには、これからさらに普及が進むであろう、PCI-Express4.0(x4)SSD対応した製品の早期投入を是非お願いしたい。
協力:Crucialブランド
CFD販売株式会社