エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.893
2020.07.28 更新
文:撮影・エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
続いて「EXCERIA SATA SSD」シリーズの960GBモデル「SSD-CK960S/N」のパフォーマンスをチェックしていこう。なおテスト条件はこれまでと同じにしている。
「CrystalDiskInfo 8.7.0」の結果。インターフェイスはSATA3.0(6Gbps)で、S.M.A.R.T.、NCQ、TRIM、DevSleepに対応する |
【AS SSD Benchmark 2.0.6821.41776:総合ベンチマーク】 |
シーケンシャルアクセスは読込が約500MB/sec、書込が約460MB/sec、ランダムアクセスは読込が約300MB/sec、書込が約315MB/sec。総合スコアも1,000ポイントを超えており、SATA3.0(6Gbps)SSDとしてはかなり高速だ。
【16MiB(MB/s)】 | 【16MiB(IOPS)】 |
【1GiB(MB/s)】 | 【1GiB(IOPS)】 |
【64GiB(MB/s)】 | 【64GiB(IOPS)】 |
シーケンシャルアクセスは、読込が最高約550MB/sec、書込が最高約510MB/sec。いずれも公称値には及ばなかったが、インターフェイスの限界に近いスコア。データサイズによる性能差も最大6%しかなく、極端にサイズの大きいデータでも安定したパフォーマンスが期待できる。
続いてランダムアクセスを確認すると、書込は約81,600 IOPSで公称値まであと一歩。読込は81,700 IOPSで、わずかながら公称値を超えるスコアを記録した。ただし、データサイズによるスコアのブレはシーケンシャルアクセスより大きく、読込で約16%、読込では40%を超えていた。
【ATTO Disk Benchmark 4.00】 |
読込は最高535MB/sec、書込が最高514MB/secで、「CrystalDiskMark 7.0.0」と同じくSATA3.0(6Gbps)SSDとしてはトップクラスのスコア。64KB以上のデータサイズではスコアのブレもほとんどなく、シーケンシャルアクセスは非常に得意としている事がわかる。
キオクシアブランド初のコンシューマ向けSSDとして登場した「EXCERIA SSD」シリーズ。いずれもNANDフラッシュには人気の「BiCS FLASH」を採用。またコントローラにはインハウスICを搭載する鉄板の組み合わせ。当然ながらNANDフラッシュへの最適化もしっかりと行われており、一部の巨大なデータを除けば転送速度はとても安定していた。
さらに最上位モデルの「EXCERIA PLUS SSD」シリーズなら、パフォーマンスもPCI-Express3.0(x4)SSDの中ではトップクラス。容量も最大で2TBまでラインナップしており、今年5月に登場した第10世代Intel Coreプロセッサや、まもなく国内発売が開始されるRyzen PRO 4000シリーズなど、PCI-Express4.0非対応のプラットフォームで、ハイエンドPCを組むなら手放しでオススメできる。
またエントリークラスを標榜しながら、インターフェイスの限界に迫る転送速度を誇る「EXCERIA SATA SSD」も面白い存在だ。最近ではNVMe M.2 SSDの台頭もあり、“SATA3.0(6Gbps)SSD”イコール“ローエンド”というイメージが定着している。そのせいで、コストを重視した製品が増え、高性能かつ高品質な選択肢が限られているが、「EXCERIA SATA SSD」はそんな状況に風穴を開ける存在になりそうだ。
東芝メモリ時代から方針を変換し、国内のコンシューマ市場にも注力をしているキオクシア。バランスのよい3シリーズのSSDで幸先のいいスタートを切ったが、今後の展開にも期待したい。
協力:キオクシア株式会社
株式会社バッファロー