エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.894
2020.07.30 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
まずは定番のレンダリングベンチマーク「CINEBENCH R15」で、CPUの純粋なパフォーマンスをチェックしていこう。
シングルコアテストについては、瞬間的に5.00GHzまでクロックが上昇するCore i9-9900Kが唯一200cbを超えトップを獲得。とは言え、Ryzen 7 PRO 4750Gでは約5%差の199cb、最もスコアの低いRyzen 3 PRO 4350Gでも183cbで、その差は約15%とかなり健闘している。第3世代Ryzenシリーズに比べるとL3キャッシュが控えめだが、シングルコアテストへの影響はそれほど大きくないようだ。
続いてマルチコアテストを確認すると、Ryzen 7 PRO 4750Gは本来であれば格上となるCore i9-9900Kをわずかながら上回るスコア。第10世代Intel CoreプロセッサではCore i7-10700Kとほぼ同等の性能と言って良さそうだ。また、その他のCPUについてもほぼコア数に準じたパフォーマンスを発揮している。
続いて、よりメニーコアCPUに特化したレンダリングベンチマーク「CINEBENCH R20」のスコアを確認していこう。
まずRyzen 7 PRO 4750GとCore i9-9900Kを比較すると、シングルコアテストは1%未満、マルチコアテストでも約1%でほとんど誤差の範囲。価格的には上位となるCPUにも十分渡り合うことができている。
またRyzen 5 PRO 4650Gもシングルコアテストが491pts、マルチコアテストが3,602ptsで、6コア/12スレッドのミドルレンジモデルとしては良好な結果。ただし、Ryzen 3 PRO 4350Gについては、最高クロックがやや低めに設定されているため、マルチコアテストは2,358ptsと健闘しているが、シングルコアテストは454ptsとその他2モデルに比べるとやや落ち込みが大きい。
次に、統合型3DCGソフトウェア「Blender」のベンチマーク結果も確認しておこう。
最もレンダリングが早く完了したのはCore i9-9900K。しかし、Ryzen 7 PRO 4750Gとの差は3%未満しかなく、コア数の増加と「Zen 2」アーキテクチャの採用によって、APUの弱点であったCPUコアの性能は大きく改善している。またRyzen 5 PRO 4650GやRyzen 3 PRO 4350Gについては、それぞれコア数が同じ第3世代Ryzenシリーズに近いパフォーマンスを発揮している。