エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.894
2020.07.30 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
ここからは、3Dグラフィックスベンチマークの定番「3DMark」のスコアを確認していこう。まずはAPIにDirectX 11を使用する重量級テスト「Fire Strike」からだ。
GPUの性能が結果に直結するGraphics scoreだが、Core i9-9900KはRyzen 3 PRO 4350Gとの比較でも4割程度のスコアで全く歯が立たない。またグラフィックスコア11基(ストリームプロセッサ数704基)のRyzen 5 2400G(Graphics score:3,149)との比較でもRyzen 3 PRO 4350Gは約10%上回るスコア。Ryzen PRO 4000シリーズでは、これまでに比べてグラフィックスコアは削減されているものの、内部設計の最適化やGPUクロックの大幅な引き上げによって、確実にパフォーマンスが上がっている。
またAPU同士の比較では、Ryzen 7 PRO 4750GとRyzen 5 PRO 4650Gは約7%とその差はそれほど大きくない。一方、Ryzen 5 PRO 4650GとRyzen 3 PRO 4350Gでは約14%とやや大きな差がついた。
続いて、APIにDirect X12を使用する軽量版ベンチマーク「3DMark Night Raid」のパフォーマンスをチェックしていこう
やはり、Ryzen PRO 4000シリーズと、Core i9-9900Kの性能差は大きく、Ryzen 3 PRO 4350GでもGraphics scoreは約2.2倍もの差がついた。またRyzen PRO 4000シリーズでは、グラフィックス性能が飽和気味のようで、Ryzen 7 PRO 4750GとRyzen 5 PRO 4650Gはほぼ同等、Ryzen 5 PRO 4650GとRyzen 3 PRO 4350Gとの差も約11%に縮まった。
「3DMark」関連テストのラストは、APIにDirect X11を使用する中量級ベンチマーク「3DMark Sky Diver」で締めくくろう。
スコアの傾向は「3DMark Fire Strike」とほぼ同じ。またRyzen 7 PRO 4750Gでは、以前検証を行ったRadeon RX 550グラフィックスカード「RD-RX550-E2GB/OC」とほぼ同等のスコアを叩き出している点も注目に値する。少なくともRyzen PRO 4000シリーズを使っているなら、エントリークラスのグラフィックスカードを別途用意する必要はないだろう。