エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.897
2020.08.06 更新
文:撮影・エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕/取材:Tawashi
届けられた評価サンプルには、上部と下部をネジで固定したバーが装着されていた。「リジッドカードサポート」と名付けられた梯子状のパーツは、グラフィックスカードの右端部分を支えるサポート金具。担当者に確認したところ、今年の秋から冬(10月~11月以降)頃にオプションとしてカスタマイズ項目に追加される予定とされている。
重量級グラフィックスカードの垂れ下がりや基板の歪みを防止する器具として、さまざまな市販品が用意されているが、GALLERIAオリジナルのサポート金具はずいぶんと慎重にできている。通常は下支えする役割だけに、グラフィックスカードの下側のみに補助具が取り付けられるパターンがほとんどだが、上部からも挟みこむ格好で水平状態を保持できるようにしている。
上下から挟み込む状態でグラフィックスカードの水平状態を保持。なお支柱部はスチール製、補助具はプラスチック製で、インチネジ2本で確実に固定されている |
これは重いグラフィックスカードをより確実に固定する目的に加え、輸送事故を防止する役割を果たしている。通常輸送時は本体が横になった状態で梱包されており、振動により脱落する恐れがある。より確実にロックできれば、深刻なダメージを回避できるというワケだ。接触不良や拡張スロットの破損も防ぐ事ができるだろう。
ちなみに搭載グラフィックスカードはPalit「GeForce RTX2080Ti 11GB GamingPro OC」。外形寸法は長さ292mm、幅112mm、厚さ58mmの3スロット占有デザイン。重量級カードには「リジッドカードサポート」の存在価値が際立つ |
最後に評価サンプルに搭載されていたメモリとSSDを確認しておく。メモリはCrucialブランドのDDR4 16GB(PC4-25600/8GBx2)で、カスタマイズにより最大64GB(16GBx4)に増設が可能。さらにストレージは容量1TBのNVMe M.2 SSDが装着されていた。
空きスロットは2つで最大64GB構成も可能 | NVMe M.2 SSDはPhison PS5012-E12S採用1TB(TLC) |
ゲーミングPC「GALLERIA」は、自作PC並にフットワークが軽い。新しいCPUやグラフィックスカードがリリースされると、いち早く新型モデルを完成させる。メーカー製PCにはないこの柔軟性は、自作PCに近いオリジナルブランドPCの強みであり、GALLERIAの存在価値を高めている。加えてeスポーツの躍進も業界を底上げし、完成型PCはますます元気だ。
サードウェーブが仕掛けた今回の大型アップデートは、周到に用意されたスケジュールに沿って、大きなうねりを作り上げた。メディア各社に取り上げられ、テレビCMを見た読者もいるだろう。これまでとは明らかに違う戦略は、ブランド価値を大きく上積みしたことだろう。
そして最大のトピックは今回取り上げた新筐体である事は言うまでもない。大きすぎず、小さすぎないボディには、必要なものがひと通り詰め込まれている。eスポーツを頂点としたゲームユースにとって、これ以上の過剰な装備は必要としない。パッケージとして、上手にまとめられている。
不要なものをそぎ落とし、必要なものだけを残した「ガレリア専用ケース」。「BREAK THE NORMAL」(常識を打ち破れ)のスローガンは、設計思想にも色濃く反映されていた。
協力:株式会社サードウェーブ