エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.898
2020.08.08 更新
文:松野 将太/撮影:松枝 清顕
念のため、M.2スロットに装着したSSDの性能も確認しておこう。、ストレージはPCI-Express 3.0接続のSSDとしてオーソドックスな性能を備える「KC2000」で、ベンチマークソフトは「CrystalDiskMark 7.0.0」だ。データサイズ1GiB、16GiB、32GiBの3パターンで転送速度を計測している。
データサイズ1GiB(MB/s) | データサイズ1GiB(IOPS) |
データサイズ16GiB(MB/s) | データサイズ16GiB(IOPS) |
データサイズ32GiB(MB/s) | データサイズ32GiB(IOPS) |
「KC2000」1TBモデルの公称スペックは、シーケンシャル読み込み最大3,200MB/s、書き込み最大2,200MB/s、ランダム4K読み込み 350,000IOPS、書き込み275,000IOPS。結果を見てみると、シーケンシャル、ランダム4Kともにほとんどのデータサイズで公称値を上回る良好な結果が出ており、しっかりとSSDの性能を引き出せていることが分かるだろう。なお、テスト中のSSD温度をモニタリングしたところ、最大時でも80℃を超えることはなかった。M.2スロットにはヒートシンクが用意されていないため、冷却面での懸念はあるものの、一般的な利用シーンであればそれほど問題になることはなさそうだ。
続いて、3Dグラフィックス系のテストである「3DMark」の結果を見てみよう。CPU内蔵グラフィックスを使用するため、内蔵グラフィックスを想定したテストである「Night Raid」および「Sky Diver」のスコアを計測している。
「3DMark」 |
内蔵グラフィックスは独立したGPUに比べ大幅に性能が落ちるのが一般的だが、本製品もその例に漏れず、3D描画性能はそれほど高くはない。とは言え、「Sky Diver」の総合スコアは9,121、「Night Raid」の総合スコアは9,390と、適正な負荷であればそれなりに健闘してくれる。ブラウザゲームや軽量なオンラインゲームなどは画質次第でプレイできるが、過度な期待は禁物といった印象だ。
実ゲームのベンチマーク結果も確認してみる。「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク」では、解像度をフルHD(1,920×1,080ドット)に固定し、画質はデスクトップPCとノートPC向けの「高品質」および「標準品質」、デスクトップPC向けの「標準品質」の3パターンを計測した。
「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク」 |
結果は、もっとも負荷の軽い「標準品質(ノートPC向け)」でも総合スコア4,186(評価:快適)、もっとも負荷が高い「高品質(ノートPC向け)」では総合スコア3,121(評価:やや快適)と、ゲームプレイ自体は可能な水準ではあるものの、それほど良好なスコアが出るわけでもない。ちなみに「標準品質(ノートPC向け)」テスト時の平均フレームレートは約29fps。「快適」評価とはいえ、設定次第ではゲームもプレイできる、という程度の認識に留めておくのがよさそうだ。よりフレームレートを上げたい場合、さらに解像度を落とす必要が出てくるだろう。