エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.905
2020.08.30 更新
文:/撮影・pepe
ここでは「PG-EJ」の冷却性能をテストしていこう。20回のループテストを行う「3DMark Time Spy Extreme Stress Test」を使用して、CPUクーラーに標準採用される「大型空冷式クーラー(高冷却) 」、グラフィックスカードのINNO3D「GeForce GTX 1660 TWIN X2」の温度とFAN回転数を「HWmonitor」で計測している。
一般的に空冷CPUクーラーでCPUの冷却性能を追求すれば大型のサイドフロータイプになるが、大きさもそこそこのトップフロータイプでありながら高負荷時の最高温度を55℃に収める「大型空冷式クーラー(高冷却) 」はかなり高性能だ。またINNO3D「GeForce GTX 1660 TWIN X2」はデュアルファン仕様の高冷却クーラーで最高温度を77℃に収め、ケースファンが120mmファン1つにも関わらず非常に優秀な冷却結果となっている。
FAN回転数を確認すると、TDP65WのCore i5-10400が低発熱であることも功を奏してCPUファンは最高で597RPMとかなり低い。さらにGPUファンは温度が低いとセミファンレス仕様によりファン回転数が停止する。最高回転数は2,027RPMだが、環境音と混ざりファンノイズはほぼ気にならない。
最後にこれまでのベンチマーク実行中の消費電力を確認しよう。アイドル時は起動後にシステムが安定するまで5分程度放置、高負荷時は「PUBG」と「3DMark Time Spy Extreme Stress Test」を実行中の消費電力をワットチェッカーで測定する。
アイドル時の消費電力が37W、「PUBG」実行中の消費電力が189W、「3DMark Fire Strike Stress Test」実行中の消費電力が155Wを記録している。ハイエンドなCPUと比較すると、アイドル時も高負荷時も共に消費電力の低さが際立っている。今回の検証では最高消費電力が189Wとなり、「PG-EJ」に標準採用される電源ユニットが750Wであることを考えると、システム全体として出力に余裕がある構成だ。現状これよりも低出力の電源ユニットはオプションメニューが存在しないため、今後BTOメニューにラインナップが追加されることを期待したい。
ゲーミングマシンを購入する際に一番気になるのは、実際にプレイするゲームタイトルがどの解像度、またはグラフィックス設定で、どれくらい快適に動作するかという点だ。現状手に入るフルスペックマシンを用意すれば、最新の重量級タイトルにも対応する性能を手に入れることはできるが、それでは予算度外視で青天井だ。そんな疑問に対する一つの答えとして、ストームの「PG-EJ」は、フルHD環境において120FPSを可能にするライトゲーミングBTOとなっている。もちろん、ゲームタイトルによって差はあるが、特にベンチマークセッションでも使用した人気タイトル「フォートナイト」や「PUBG」においては、フルHD環境までなら快適にゲームをプレイできる。
また第10世代Coreプロセッサでは、Core i5/i3シリーズでもハイパースレッディングに対応。定評のあったシングルスレッド性能はそのままに、マルチスレッド性能が高速化された。ライトゲーミングはもちろん総合的なマシン性能を向上させることで、例えば収録したゲームプレイのハイライトを動画編集するといった、ストリーマーのニーズにも応える1台となっている。
協力:株式会社アイティーシー