エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.907
2020.09.09 更新
文:撮影・エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
4mm厚の強化ガラス製左サイドパネルを取り外し、「DF600 FLUX」の内部構造をチェックしていく。インパクトのあるフロントマスクから一転、内部の様子を眺めてみると至ってシンプル。パッと見ただけでモデル名を言い当てる事は難解だが、ボトムカバー上に冷却ファンが搭載されている様は、唯一の識別ポイントになるだろう。
マザーボードトレイには、出荷時より予めスタンドオフ(台座)が装着されている。黄色い丸で囲んだ合計9箇所で、内径はミリ。9箇所のネジ穴はATX規格に合わせたもので、一般的なマザーボードであれば増設する必要はない。なお、スタンドオフ自体に仕掛けはなく、近頃よく見かけるマザーボードの位置決めができる”段差付き”の採用も見送られている。
フロントパネル裏手は完全に空きスペースとなるため、マザーボードの周辺クリアランスは十分に確保されているように見える |
イマドキのミドルタワーPCケース同様、「DF600 FLUX」にもボトムカバー(シュラウド)が標準装備されている。代理店の製品情報では「PSUチャンバー」と称され、内部の高さ約105mmのカバー内に、電源ユニットおよびシャドウベイユニットが収められる。そして「F-LUX PLATFORM」の重要なポイントが、カバー天板にある通気孔だ。
製品には「120mm逆回転ファン」が1基付属し、通気孔の真上に設置が可能。右サイドパネル下部の通気孔から外気を吸い上げ、直接グラフィックスカードに風を当てる事ができる。Antec曰く、排熱を高める「F-LUX PLATFORM」は、検証による効果は実証済み。右側面とボトムカバー天板の風通しを確保し、冷却ファンによる風の流れを作り上げる事で、独自のエアフローレイアウトを作り上げている。
最近では2.5インチSSDの増設スペースとしての利用が多い、ボトムカバー天板部。「DF600 FLUX」では「F-LUX PLATFORM」を実現すべく、120mm逆回転ファンを設置する事で筐体内部全体のエアフローレイアウトを最適化させている。なお冷却ファンは未装着状態で出荷される |
拡張スロットは全7段。ATX対応ミドルタワーPCケースの標準的な数に留められている。ちなみに垂直スロットの用意もない。拡張スロット金具には斜めにスリットを設け、通気性を確保。ネジ留めは外部で行うタイプで、拡張スロット金具の折り返し面をサポートするネジ留め式の固定金具も装備される。
電源ユニットは例によってボトムレイアウト。ボトムカバーを備えるため、電源ユニットの出し入れは右側面の開口部から行うことになる。
有効スペースを実際に計測してみると、リアパネルからシャドウベイユニットまでは約220mmだった |
有効スペースは公称値で奥行き205mmまで。ここで表記される「有効スペース=ボトム面に設置されるシャドウベイユニットまでの距離」だが、モジュラーコネクタ式の電源ユニットの場合、抜き挿しするストロークはあった方がいいし、多少あまったケーブルの”押し込みスペース”も欲しい。近頃では高効率で発熱が少なく、ショートタイプでも高出力な高品質電源ユニットも数多く流通している。設置スペースを目いっぱい使わず、システムに見合ったほどよいサイズをチョイスしたい。