エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.907
2020.09.09 更新
文:撮影・エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
ここからはストレージ収納力をチェックしていこう。付属マニュアルは多言語化されているものの、親切とは言い難く、自作経験の浅い人にはやや分かりにくい。ことドライブベイについては説明が不十分で、中級以上の自作PCユーザーしか理解できない箇所がある。自ら調べる行為が自作PCの楽しみのひとつではあるものの、やや中途半端感は否めない。これを補足すべく、しっかりと解説しよう。
メインとなるのは、ボトムカバー内部のボトム面に固定されたケージタイプのシャドウベイユニット。ここにはABS樹脂製の専用トレイが1つ装備され、2.5インチSSDまたは3.5インチHDDいずれかが搭載できる。さらにシャドウベイユニット天板にはネジ穴があり、ここにも2.5インチSSDまたは3.5インチHDDが固定できる。
2台分共に専用トレイ式にしなかった理由は不明。排他仕様となるものの、最大で3台のストレージがマウントできる計算。搭載方法は、3.5インチHDDはABS樹脂のしなる性質を利用し、両側面をピン固定するツールフリータイプ。2.5インチSSDは底面ネジ留め式が採用される |
底面から2本のインチネジで固定されたシャドウベイユニット。これを取り外し、天板部分に2.5インチSSDまたは3.5インチHDDがネジ留めできる |
2台の3.5インチHDDを固定したところ。ボトムカバー天井までの距離は確保されており、窮屈に感じる事はないだろう。なおコネクタは右サイドパネル側に向けて搭載する事になる |
マザーボードトレイ背面、CPUクーラーメンテナンスホールの下エリアには、2.5インチSSD専用のブラケットが2台分用意されている。ゴムブッシュが固定されたネジから、ブラケットを上部へスライド。一旦取り外した状態で、2.5インチSSDを両側面からネジ留めを行う。これを元の位置に戻せば搭載は完了というワケだ。
電源ケーブルおよびSATAデータケーブルの取り回しを考慮し、コネクタは下向きになるよう2.5インチSSDを固定。裏配線スペースを有効に活用しよう |
マザーボードトレイ背面のフロント寄り上部には、3.5インチHDDが1台搭載できる。ここも空きスペースを有効活用しようという試みで、固定にはマザーボードトレイ表面(左側面からのアクセス)からインチネジを使い、3.5インチHDDの底面をネジ留めする仕組み。やや気掛かりなのは、上部にスイッチ類&アクセスポイントに接続されるケーブルが干渉を起こす点。特に前寄りのUSB3.0ケーブルは硬く、搭載後の3.5インチHDDとの間隔が狭くなるため、コネクタ部分に余計なテンションが掛かってしまう恐れがある。作業には十分注意したい。
そして3.5インチHDD搭載スペースの下部には、2.5インチSSD用の搭載スペースも用意されている。3.5インチHDD同様、マザーボードトレイ表面からミリネジを使い底面をネジ留め。一見エマージェンシー用のスペースだが、1TB超えの大容量SSDを搭載すれば、貴重かつ重要な存在としてシステムに貢献してくれるはずだ。