エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.911
2020.09.20 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
次に消費電力と本体の発熱をチェックしておこう。ストレステストには「OCCT 6.2.1:POWER SUPPLY」(実行時間30分)を使い、負荷をかけた状態を高負荷時、起動直後10分間放置した状態をアイドル時として測定した。
アイドル時:キーボード部分のサーモグラフィ結果 | アイドル時:裏面のサーモグラフィ結果 |
高負荷時:キーボード部分のサーモグラフィ結果 | 高負荷時:裏面のサーモグラフィ結果 |
「UBook」よりは消費電力が増えているものの、アイドル時は7.8W、高負荷時でも17.6Wまでしか上がらず省電力性は優秀。また本体の温度もアイドル時は最高で39℃前後、高負荷時でも45℃を超える箇所はなく、膝の上において作業をしていても不快に感じることはなかった。
最後に「BBench」を使い、バッテリ駆動時間を計測しておこう。輝度は最小設定で、電源モードは“バッテリー節約機能”を選択。テスト条件は「10秒ごとのキー入力」と「60秒ごとのWeb巡回」を有効にしている。
Webページを開くたびにタブが追加される省電力CPUにはやや負荷の高い処理だが、バッテリ残量が5%を切り休止状態に移行するまでの時間は約4時間40分。比較的ライトな処理であれば、終日の外出でもACアダプタを持ち歩く必要はないだろう。
クアッドコアとは言え、廉価かつ省電力向けSoCということもあり、過大な期待は禁物だ。ただし、TDP6WのCeleron N4100を搭載する「UBook」と比較すると、マルチスレッド時のクロックが上昇したこと。さらにメモリが12GBと多いこともあり、複数のタブを開くようなWebブラウジングでは、体感でも明らかにスピードに違いがある。
また液晶についてはIPS方式ということもあり、視認性や発色は良好。残念ながら老眼の筆者には、高解像度の恩恵はあまりなかったが、スケーリング“100%”で問題なく使えるのであれば、フルHDのノートPCより間違いなく快適になるだろう。
最近ではテレワークの普及によって、価格が安い中古ノートPCの売れ行きが好調と聞くが、薄型・軽量デザインで、さらに299ドルから購入できる「GemiBook」は、その代替になりうる製品だ。
協力:CHUWI