エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.913
2020.09.22 更新
文:松野 将太/撮影:松枝 清顕
G.SKILL「Trident Z Royal」シリーズ 「F4-3600C14D-16GTRGB」(DDR4-3600 8GBx2枚組) 実勢価格26,000円前後(2020年9月現在) 製品情報(G.Skill) |
自作PCそのものの安定性が昔に比べて向上した影響もあり、近年では高クロックで動作するオーバークロックメモリは非常にポピュラーな存在になりつつある。特にAMD「Ryzen」シリーズにおいては、内部バス「Infinity Fabric」の動作クロックがメモリクロックに同期することから性能への影響が大きい。そのため、高クロックメモリの需要が高まっている。
G.SKILL公式サイトより。DDR4-3000前後の一般的な製品からDDR4-4000を超える超高クロックモデルまで、幅広いラインナップを誇る |
G.SKILLのオーバークロックメモリといえば、そんな近年のメモリ市場を代表する製品群と言っても差し支えないだろう。LEDによる発光パターンを取り入れたオシャレな外観と確かな性能でブレイクした「Trident Z RGB」や「Trident Z Neo」、宝石のようにド派手なラグジュアリーデザインで話題を呼んだ「Trident Z Royal」など、話題性と堅実な性能を備えたモデルの投入により、市場において確かなブランドを確立している。
「Trident Z Royal」 | 「Trident Z Neo」 |
上記の製品以外にも幅広いラインナップを展開している同社だが、今回取り上げるのはいずれもDDR4-3600(PC4-28800)に対応する8GB×2モジュールの「Trident Z Royal」(F4-3600C14D-16GTRGB)、「Trident Z Neo」(F4-3600C14D-16GTZNB)、「Ripjaws V」(F4-3600C16D-16GVK)、「Sniper X」(F4-3600C19D-16GSXWB)の4モデル。DDR4-3600対応メモリは第3世代Ryzenとの組み合わせで採用されることが多い人気製品で、メモリプロファイルを読み込むだけで3,600MHz動作が可能。価格もこなれていることから、オーバークロックメモリを購入するならチェックしておきたい製品と言えるだろう。
「Ripjaws V」 | 「Sniper X」 |
ちなみに4シリーズの価格帯は、高級志向の「Trident Z Royal」(F4-3600C14D-16GTRGB)が実売26,000円前後、「Trident Z Neo」(F4-3600C14D-16GTZNB)が実売22,000円前後と、どちらも20,000円を超えてくる。一方、より価格を抑えた「Ripjaws V」(F4-3600C16D-16GVK)は実売12,000円前後、「Sniper X」(F4-3600C19D-16GSXWB)は実売7,000円前後と、かなり安価だ。
同じ動作クロック、容量でもこれだけの価格差が出るのは、デザインへのこだわりの他、レイテンシ(メモリタイミング)が異なるのも大きな要因だ。「Trident Z Royal」および「Trident Z Neo」は14-15-15-35と比較的レイテンシが低いが、「Ripjaws V」は16-16-16-36、最も安価な「Sniper X」は19-20-20-40と、価格が下るに従って、レイテンシも緩くなる。なお動作電圧に関しては、低レイテンシな「Trident Z Royal」と「Trident Z Neo」が1.45Vと少し高め。「Ripjaws V」と「Sniper X」は共に1.35Vとなる。
タイミングを詰めても劇的な性能差が出るわけではないため、購入にあたっては見た目の好みやコストパフォーマンス、安定性など様々な要素を自分の目的に合わせて検討するのがベターだろう。しいて言うなら、とにかく高パフォーマンスを求めるのであれば「Trident Z Royal」や「Trident Z Neo」、安定性や安さを求めるのであれば「Ripjaws V」や「Sniper X」が狙い目となってきそうだ。