エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.913
2020.09.22 更新
文:松野 将太/撮影:松枝 清顕
では、メモリクロックによるPCのパフォーマンスへの影響をベンチマークテストで見てみよう。今回はDDR4-3600のD.O.C.P.プロファイルを適用した場合、適用せずDDR4-2133で動作させた場合の2パターンで検証を行っている。まずは「Sandra 20/20」の「メモリの帯域」と「メモリのレイテンシ」のスコアをチェックする。
DDR4-3600を適用することで、「整数メモリ帯域」、「浮動小数点メモリ帯域」ともにおよそ11GB/secほどスコアがアップしているのが一目で分かるだろう。また、レイテンシについてもDDR4-3600動作時には大きく改善されている。今回のように高いクロックのオーバークロックメモリを利用する場合は特に、プロファイルを適用するか否かでパフォーマンスが大きく変わるので、忘れずに設定したいところだ。
CPUの定番ベンチマークである「CINEBENCH R20」では、それぞれのメモリクロックで動作させた際のスコアをチェックしている。
このテストでは、メモリの速度によるスコア差がほとんどついていない。そもそもテスト自体がメモリよりもキャッシュを利用するため、オーバークロックによって内部バスの速度が速くなるとは言っても、こうしたテストでは結果は誤差レベルにとどまる。
では、ゲーム系ベンチマークでメモリによるスコア差がどの程度つくかを見てみよう。「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク」を起動し、解像度は1,920×1,080ドット、2,560×1,440ドット、3,840×2,160ドットの3パターンで、画質は最高品質、フルスクリーンに設定。計測したスコアを比較している。
メモリオーバークロックの有無によって、ゲームの描画解像度が低いほど顕著なスコア差が生じていることが分かるだろう。PCゲームに関してはメモリのオーバークロックがフレームレートの若干の底上げになることも多いが、特にフルHD解像度ではその傾向が強い。今回は関係ないが、CPU内蔵GPUを備える「Ryzen PRO 4000」シリーズなどを活用する場合も、メモリクロックがグラフィックス描画に大きく影響してくるため、高クロックメモリを推奨したい。
メモリのオーバークロック世界記録の常連となる製品を多く輩出し、それゆえにメモリメーカーとしては一際人気の高いG.SKILL。性能的に優れたプロダクトが多いことはもちろんだが、昨今はユーザーが増加しているために動作報告も発見しやすく、マザーボードメーカーが公開するQVLのリストにも必ずと言っていいほど名前が出てくる。初めてオーバークロックメモリに挑戦するユーザーでも安心して購入しやすいのが、何よりも魅力的なポイントと言えるのではないだろうか。
もちろん、安定性を取るのであればCPUがサポートする定格クロックに留めておくに越したことはないが、同じようにPCを組むのなら、予算内で少しでも性能を高めたいと思うのがユーザーの性というものだろう。良いCPUとGPUは用意したからメモリで性能を底上げしたい、Ryzenと組み合わせるオーバークロックメモリを探している。そんなときは、まずG.SKILLの製品から試してみることをオススメしたい。
協力:G.SKILL International Enterprise Co.、Ltd.,
株式会社アユート