エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.929
2020.11.05 更新
文:撮影・エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
統合ベンチマークである「SiSoftware Sandra 20/20」の「プロセッサの性能」と「マルチメディア処理」でも、CPUの性能をチェックしておこう。
「プロセッサの性能」は、コア数の影響が大きくRyzen 9 3950XがいずれもRyzen 9 5900Xを引き離している。またRyzen 9 5900XとRyzen 9 3900XTの比較では「Dhrystone Aggregated-int」が約10%、「Whestone 浮動小数点/倍精度 Native」では20%の差が付き、「Zen 3」では特に浮動小数点演算の性能が向上しているようだ。
一方、「マルチメディア処理」では、「Zen 3」が大きくスコアを伸ばし、「集計マルチメディア整数」「集計マルチメディア浮動小数点」とも4コアの差を埋め、Ryzen 9 5900XとRyzen9 3950X、Ryzen 7 5800とRyzen 9 3900XTでほぼ同等のパフォーマンスを発揮する。
続いて、シングルスレッド性能の影響が大きい統合ベンチマーク「PCMark 10」の結果を確認していこう。
総合スコアでトップを獲得したのはRyzen 9 5900X。さらにRyzen 7 5800XでもRyzen 9 3950Xを約7%上回り、シングルスレッドに強い「Zen 3」アーキテクチャの強みが存分に発揮されている。個別のスコアを確認すると「Essentials」「Productivity」「Digital Content Creation」はいずれも「Zen 3」が優勢。特に「Productivity」ではRyzen 7 5800XとRyzen 9 3950Xでも約20%と大きな差がついた。
ここからは、CPUの違いによるグラフィックス性能への影響をチェックしていこう。まずはAPIにDirect X12を使用する、定番3Dベンチマーク「Time Spy」のパフォーマンスをチェックしていく。なおプリセットは「Time Spy」と「Time Spy Extreme」の両方で計測を行った。
マルチスレッドへの最適化が進んでいるベンチマークソフトだが、「Time Spy」ではRyzen 9 5900XがRyzen 9 3950Xを、Ryzen 7 5800XがRyzen 9 3900XTを上回るスコア。ただし、より負荷の高くなる「Time Spy Extreme」では、コア数に準じた結果に落ち着いている。
続いて、APIにDirect X11を使用する「Fire Strike」のパフォーマンスもチェックしていこう。こちらも3種類全てのプリセットで検証を行っている。
一部Ryzen 9 3950Xとタイのスコアはあるものの、Ryzen 9 5900Xがトップを獲得。またRyzen 7 5800XもRyzen 9 3900Xをすべてのプリセットで上回り、Ryzen 9 3950Xとほぼ同等のパフォーマンスを発揮する。