エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.933
2020.11.18 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
「Smart Access Memory」を有効にすると、DirectX 12やVulkanを使用するゲームでパフォーマンスが向上するという |
「RDNA 2」で新たに追加された機能に「Smart Access Memory」がある。この機能を有効にすると、グラフィックスカードに搭載されている全てのビデオメモリにCPUが直接アクセスできるようになり、APIにDirectX 12やVulkanを使用するゲームでは平均約6%パフォーマンスが引き上げられるという。そこで本格的な検証に入る前に、まずは 「Smart Access Memory」の効果を「3DMark:Time Spy」と「Battlefield V」で簡単にチェックしておこう。
「Smart Access Memory」を有効にするには、対応BIOSが必要。さらにUEFI上から「CSM」を無効にして、「Above 4G Decoding」と「Re-Size BAR Support」を有効にする必要がある |
「3DMark:Time Spy」では、いずれのグラフィックスカードでも「Smart Access Memory」を有効にしたほうが高いスコアを記録した。ただしその差は最大でも2%未満で、上昇幅はそれほど大きくない。
続いて「Battlefield V」の結果を確認していこう。こちらはフルHD解像度で約10%、WQHD解像度で約7%、4K解像度では約4%と負荷が上がるにつれ、効果は低くなるものの明らかにパフォーマンスは向上している。
対応するゲームやPCの構成に制限はあるものの、消費電力が増加するなどのデメリットはない。システムがサポートしているのであれば必ず有効にしておこう。なお以降のテストは「Smart Access Memory」を有効にした状態で計測を行うことにした。
まずは3Dベンチマークソフトの定番「3DMark」から、レイトレーシングの性能をチェックする「Port Royal」のスコアを確認していこう。
AMD製GPUでは初めてレイトレーシング機能に対応した「Radeon RX 6800」シリーズ。しかし「Port Royal」のスコアはGeForce RTX 3080に対して、Radeon RX 6800 XTで80%弱、Radeon RX 6800では約65%と大きく引き離されている。レイトレーシングのパフォーマンスについては、やはり第2世代となるGeForce RTX 30シリーズに一日の長がある。
続いて、レイトレーシングの中でも「DirectX Raytracing」の純粋なパフォーマンスを測定できる「DirectX Raytracing feature test」の結果も確認しておこう。
「Port Royal」よりもさらに差が広がり、GeForce RTX 3080に対して、Radeon RX 6800 XTで約55%、Radeon RX 6800では約45%に留まる。AMDのレイトレーシング機能についてはまだまだ改良の余地がありそうだ。レイトレーシングに対応するゲームをメインにプレイするなら、GeForce RTX 30シリーズを選択したほうがいいだろう。なお「Rage Mode」の効果は約1%で、ほとんど誤差の範囲だった。