エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.933
2020.11.18 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
続いてAPIにDirectX 12を使用する「Time Spy」のスコアをチェックしていこう。プリセットは「Time Spy」と「Time Spy Extreme」の両方を使用している。
レイトレーシング性能では大きな差をつけられた「Radeon RX 6800」シリーズだが、「Time Spy」ではGeForce RTX 3080に対して、Radeon RX 6800 XTで約4%、「Rage Mode」では約2%とその差はごくわずか。今回検証に使用したMSI「GeForce RTX 3080 GAMING X TRIO 10G」がオーバークロックモデルの中でも、かなり高クロックであることを考慮すれば、「Time Spy」の性能はGeForce RTX 3080とほぼ互角といって差し支えない。
ただし「Time Spy Extreme」では、Radeon RX 6800 XTで約5%、「Rage Mode」で約4%とわずかだが差が広がっている。「Radeon RX 6800」シリーズでは、「Infinity Cache」でメモリ帯域幅を確保しているが、負荷が非常に高い処理の場合、キャッシュからデータが溢れるなど、効果的に働かないことがあるようだ。
またRadeon RX 6800 XTとRadeon RX 6800を比較するといずれもその差は約13%で、コンピュートユニットが削減されている影響は大きい。さらに「Rage Mode」の効果を確認すると、いずれのグラフィックスカードでも「Time Spy」で1%、「Time Spy Extreme」では1%未満で、レイトレーシングテストと同じくほとんど誤差の範囲だった。
続いて、APIにDirect X11を使用する「Fire Strike」のパフォーマンスもチェックしていこう。こちらも3種類全てのプリセットで検証を行っている。
「Fire Strike」では、全てのプリセットでRadeon RX 6800 XTがGeForce RTX 3080を上回るスコアを記録。さらに本来であればGeForce RTX 3070が対抗になるRadeon RX 6800でも、その差は最大5%に迫っている。「RDNA 2」アーキテクチャはDirectX 11世代のゲームをかなり得意としているようだ。
またRadeon RX 6800 XTとRadeon RX 6800を比較すると、「Fire Strike」では約7%に留まるものの、解像度が上がるについて差が広がり「Fire Strike Ultra」では約15%もの差がついた。なお「Rage Mode」については、最大でもやはり1%前後しか差がなく、ここまでの結果を見る限り過度の期待は禁物だ。