エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.934
2020.11.21 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
フレームを分解して内部構造をチェックしよう。分解はそれほど難しくはないものの、ワランティシールを破ってしまうため、保証を棒に振る行為であることには注意 |
さて、続いては電源ユニットレビュー定番の分解セッションだ。「Hydro PTM PRO」の内部はいったいどのような構造になっているのか、筐体を開封して観察しよう。
80PLUS PLATINUM認証を取得している「Hydro PTM PRO」は、負荷50%で最低92%の電力変換効率が保証されている。DC-DC変換基板を備えた高効率設計の内部構造を覗いてみると、比較的素直なレイアウトになっており、一部を除きケーブルを使用しないケーブルレス設計が目を引く。日本メーカー製の大容量105℃コンデンサをはじめ高品質コンポーネントが採用されているのはもちろん、省略なくしっかり部材が詰め込まれているところは、さすがハイエンドモデルだ。
また、PCBなど各種コンポーネントにコンフォーマルコーティングを施す「OFF-WETテクノロジー」を導入。湿度95%、温度50℃でも確実に動作するよう設計されている。
真上から内部構造を観察。入力部とファン以外にケーブルが存在しないため、整ったレイアウトがよく把握できる |
サーミスタやローパスフィルター、チョークコイルなどを備えた入力回路。突入電流を抑え高周波ノイズを除去する、交流電源の入り口だ |
入力部の近くに実装されているHONGFA製パワーリレー「HF115FK」 | 交流を直流に変換(整流)する一次側の整流回路。向かって左側のヒートシンクに実装されているのがそれで、発熱が大きいためヒートシンクに直接貼り付けられている |
力率を改善するためのアクティブPFC回路 | 脈流の電圧変動を抑え、安定した直流を作り出すための一次側平滑回路 |
一次側の平滑回路に搭載されているのは、450V/105℃対応のルビコン製大容量コンデンサだ。手前側には、ヒートシンクに実装されたスイッチング回路の制御部が確認できる |
直流電力をパルス状の高周波に変換するスイッチング回路。パワーMOSFETが発熱するため、ヒートシンクに取り付けられている |
入力電圧を異なる電圧に変換するトランス。各パーツが実際に使用する電圧に近い電力を出力する |
端の方に実装されているスタンバイ用のサブトランス | 実装されているコンデンサは、ルビコン製の105℃対応品だ |
高周波の波状を直流に変換する二次側の整流回路。平たいシルバーのヒートシンクに取り付けられていた | 二次側の平滑回路。一次側に比べ高耐圧である必要はないため、小型の105℃コンデンサを実装。高速応答が求められることから、固体コンデンサも採用されている |
変換効率を高めるDC-DC変換基板。ファン制御用の回路も同じ基板上に実装されているようだ |
各種保護回路が搭載されているモニタ回路 | 最奥には、各種コネクタが接続されるモジュラー基板が実装されている。ここまで入力部とファン接続部を除き、ケーブルを使用しないケーブルレス設計になっていることが分かる |
冷却ファンは、Protechnic Electric製の135mm FDBファン「MGA13512XF-A25」が搭載されていた |