エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.939
2020.12.04 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
まずは3Dレンダリングベンチマークテストの定番「CINEBENCH R15」を使い、CPUの純粋なパフォーマンスをチェックしていこう。
標準設定時のスコアはシングルコアテストが189cb、マルチコアテストが1,501cbで、以前行った「X570 Taichi」によるRyzen 5 PRO 4650Gの検証結果とほぼ同等のスコア。チップセットが異なることや、小型CPUクーラーを使用していることによるボトルネックはないようだ。
また「35W」設定では、シングルコアテストは変化なし。一方、マルチコアテストでは「HWiNFO 6.34」で確認したクロックとほぼ同じ、約15%スコアが低下した。
続いて、よりマルチコアCPUに最適化したレンダリングベンチマークテスト「CINEBENCH R20」のスコアも確認しておこう。
シングルコアテストについては「CINEBENCH R15」と同じくいずれも489ptsで、やはり「35W」設定によるデメリットはない。ただし、マルチコアテストでは約15%スコア低下しており、マルチスレッドアプリケーションをメインに使うなら標準設定のまま運用したほうがいいだろう。
また「CINEBENCH」系のスコアは、シングルコアテスト、マルチコアテストとも別のレビューで検証したIntelのノートPC向けハイエンドCPU Core i9-9980HK(8コア/16スレッド/2.40GHz/最高5.00GHz/キャッシュ16MB/TDP45W)とほぼ同等。6コア/12スレッドながらデスクトップ版Renoirを採用しているメリットは確実にある。
CPUの性能を把握したところで、次にPCの総合的なパフォーマンスを計測する統合ベンチマークテスト「PCMark 10」のスコアを確認していこう。なおプリセットには、最も広範囲なテストを行う「PCMark 10 Extended」を選択している。
比較的マルチスレッドに最適化されている「Digital Content Creation」では約6%の差がついているものの、それ以外のテストはいずれも1%前後の違いしかなく誤差の範囲。総合スコアの差も2%弱で、「35W」設定を選択した場合でも、オフィスアプリケーションやメール、Webミーティングのような基本的な作業であれば体感できるほどの違いは出ないだろう。