エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.942
2020.12.11 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
ダイレクト14+2フェーズの電源回路を搭載するなど、優れたオーバークロック耐性と信頼性は、「MEG B550 UNIFY」の大きな魅力。今回は実際に検証を始める前に、「Click BIOS 5」のオーバークロック設定でパフォーマンスアップを狙ってみることにした。「CINEBENCH R15/R20」と「3DMark」のテストが完走することを条件として、コアクロックと電圧を調整している。
動作クロックは、ベースクロック+1GHzの4.7GHzに設定。電圧は1.36Vに昇圧した時点で安定動作した |
「Click BIOS 5」の「OC」メニューにて、全コア4.7GHz動作に設定。ベースクロックにちょうど1GHzを足す計算で、それに合わせてコア電圧を1.36Vに調整している。ただし動作の安定性に問題はなかったものの、高負荷時にはCPU温度が100℃にタッチするなど、冷却はやや不足気味な印象。今回は240mmラジエターのオールインワン型水冷ユニットを使用しているが、オーバークロック環境で運用する場合は、CPUクーラーの性能も考慮する必要がある。
全コアが4.7GHz動作になっているため、マルチスレッド処理時とシングルスレッド処理時ともにクロックは4.7GHzで動作していた |
まずは純粋なCPUのパフォーマンスを計測するため、定番のレンダリングベンチマークテスト「CINEBENCH R15/R20」を実行する。オーバークロックの効果はどの程度数値として現れるだろうか。
「CINEBENCH R15」の結果から見ていくと、実際の動作クロックがほぼ変わらないことから、シングルコアテストではほとんど差がつかず。その一方でマルチコアテストでは、定格動作から12%ほどの大差がついた。定格では概ね4.15GHz程度で動作していたため、全コア4.7GHz動作との違い大きかったようだ。
よりメニーコアCPUに最適化されている「CINEBENCH R20」を続けて実行、こちらもシングルコアテストではほぼ差がつかず、マルチコアテストで目に見える違いが出た。約13%ほどのスコア上昇をマーク、ワンランク上のCPUのような挙動を見せてくれた。マルチタスク処理が効く場面では、大きな恩恵が期待できそうだ。
次は3Dグラフィックス系のベンチマークから、同じく大定番の「3DMark」を実行する。基本的にグラフィックスカードの違いが大きく出るテストながら、CPUのパフォーマンスアップがどの程度効果があるかを見ていこう。
まずはDirect X12世代の「Time Spy」から、最も負荷の大きい4Kテストの「Time Spy Extreme」を実行した。総合スコアこそそれほど大きな違いはないものの、CPU性能が影響する「CPU Score」には15%ほどの開きがあり、動作は別物であることが分かる。CPU性能のおかげでスコアが頭打ちになるような場合にこそ真価を発揮しそうだ。
続いてDirect X11世代の4Kテスト「Fire Strike Ultra」の結果だが、こちらもグラフィックスカードが牽引するテストだけに、総合スコアにそれほど変化はない。ただしCPUのパフォーマンスが影響する「Physics score」には10%ほどの開きがあり、CPU性能には確かに上積みがある。