エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.945
2020.12.19 更新
文:藤田 忠/撮影:松枝 清顕
1,100rpm台の30%にまで回転数を下げても、CPU温度を60℃台に抑えることができた「SR360PRO」。冷却性能にはまだ余裕がある。そこでファン回転をさらに25%まで落とした状態でもテストを試してみた。
30%から5%のダウンだが、ファン回転数は1,000rpmを切った900rpm台後半まで落とされ、CPU温度も1~2℃アップ。概ね62~63℃で推移し、最大でも70℃を切る69℃になっている。それでいて、騒音値は37.4dBA台と30%回転時から2dBAダウンしている。
気温が低いせいもあり、ここまで回転数を落としつつ、CPU温度を70℃に抑え込んだ「SR360PRO」は、メニーコアCPUで組む静音志向の自作PCや、最近魅せる系PCのひとつの選択肢として注目を集めている長尾製作所などのオープンフレームを使った自作PCとの相性も良好と言える。
冷却液の循環量を向上させた高い冷却性能と、片方のタービンが故障しても動作を続けるフェイルセーフ機構を備えたIn Win「SR」シリーズ。進歩する余地があまり残されていないオールインワン水冷ユニットなかで一際光る存在だ。そんな「SR」を、さらに強化した360mmサイズのラジエター搭載モデル「SR36PRO」を試してきたが、4.5GHz台にオーバークロックした24スレッドのRyzen 9 5900Xを余裕を持って冷やせる性能を発揮。そのうえファン回転数をカスタマイズすることで、しっかり冷やしながら、極静音での運用も可能になっている。
「SR36PRO」の高い冷却性能は、今年の12月から2021年1月掛けてマザーボードメーカー各社からリリースされる見込みとなっているAGESA 1.1.8.0を取り入れたBIOSで導入され、AMD Ryzen 5000シリーズのパフォーマンスをさらに引き上げるという最新の自動オーバークロック機能「PBO 2」との相性も良さそう。導入前のため、Ryzen 5000シリーズのCPUコアクロックをどこまで伸ばせるのかは未知数だが、高い冷却性能を備えていて困ることはないので、投資に十分見合うだろう。
協力:In Win Development
株式会社アユート